第15話 返り討ち
頭に血が上り、怒っているためか、手足の震えが完全に止まった。今の状態であれば、俺の邪魔をし馬鹿にする奴等を、殺すことができる。
距離を詰めるために駆け出すと、後衛の二人の魔法士が、それぞれ火の弾丸と水の弾丸を飛ばしてきた。
それらを回避すると、前衛の剣士が長剣を振り上げる。それと同時に、【隠密】で姿を消すと、剣士が驚愕に目を見開く。
「なっ!? ど、どこに行きや━━━」
周囲に視線を巡らせている隙に、首を斬り落とす。
『魔力が4UPしました』
『筋力が6UPしました』
『頑丈が5UPしました』
『敏捷が5UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が7UPしました』
『【身体強化】Lv.3を獲得しました』
「な、何が起こって…は! 何してる!? 早く魔法で攻撃しろ!」
大きな方盾を構えた男が、呆然としている魔法士達を怒鳴りつける。我に帰ると、すかさず火の矢や水の矢を放つ。
「ク、クソッ! アイツの動きが素早くて、魔法が当たらない!」
「しっかり狙え! 俺が絶対に近づけさせない! 【挑発】!」
遠距離攻撃を面倒に思い、後衛の魔法士から殺そうとしたが、何故か意識が盾士に向いてしまう。
「オラァ!」
「ぐっ…一撃が重すぎるだろ! 今の内に攻撃しろ!」
飛来する魔法を回避し、盾士を狙う素振りを見せ、再度【隠密】で姿を消す。
「クソッ! またか! どこに行きやがった!?」
姿を見失っている隙に、魔法士の背後に回り、首を斬り落とす。もう一人の魔法士が俺の姿に気付くが、この間合いであれば、俺の方が有利だ。
「や、やめてく━━━」
命乞いの言葉を無視し、袈裟懸けにする。
『魔力が5UPしました』
『筋力が4UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が5UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が4UPしました』
『幸運が6UPしました』
『【水魔法】Lv.3を獲得しました』
『【魔力操作】Lv.3を獲得しました』
『【看破】Lv.2を獲得しました』
「こ、殺される! うわぁあああ」
自分以外の仲間が殺されたことで、気が動転した盾士は、一目散に反対方向へ逃げ出す。
「ファイアー・アロー」
追いかけながら魔法を放つと、逃走していた盾士が振り返り、方盾で防御する。その間に背後に回り、再度逃走しようと振り向いた時、首を斬り落とした。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
全員を始末すると、先程までの怒りが嘘のように鎮まり、周囲に散乱する死体が、嫌でも現実を突きつける。
「…俺は、人を殺した」
しかし、意外と動揺することはなかった。コイツらは、殺傷性の高い武器を所持し、複数人で俺を殺そうとしたのだから。
ダンジョン内は外と違い、私利私欲のために、平気で犯罪に手を染める者達がいる場所だ。
殺らなければ、殺られる。警戒を怠り、躊躇っていては、命がいくつあっても足らない。
「そうだ。だから、俺は悪くない」
さて、コイツらの所持品をどうするか。武器や防具を売却すれば、多少金になるだろうが…。
「コイツらの死亡が判明すれば、売却履歴から跡がつくかもしれないし、他のハンターに発見され、所持品が無くなっていれば、人殺しを疑うだろう」
俺はあくまで、正当防衛で返り討ちにしただけだ。所持品にまで手を付ければ、それはPKの奴等と変わらないだろう。
なので、そのまま死体は放置し、ボス部屋へと向かった。
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