第14話 ぶっ殺してやる!
「さて、気持ちを切り替えよう」
先程のダンジョンは、日を改めることにした。アイツらの邪魔がなければ、宝箱の中身で一喜一憂できたのに…本当にムカつく。
まぁ、命には変えられないので、気分転換に同じCランクダンジョンへやってきた。
「グギャ!」
「グギャギャ!」
出現する魔物は、杖を所持したゴブリン・マジシャン、長剣と円盾を所持したゴブリン・ナイトだ。
接敵と同時に駆け出すと、ゴブリン・マジシャンがこちらに杖を向けて、火の矢を放つ。しかし、飛来速度はそこまで速くないので、上体を横にして回避する。
そして、ゴブリン・ナイトが長剣を振り上げると同時に、【隠密】で姿を消し、ゴブリン・マジシャンの背後に回り、首を斬り落とす。
『魔力が5UPしました』
『筋力が4UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が5UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が4UPしました』
『幸運が4UPしました』
『【火魔法】Lv.3を獲得しました』
『【魔力感知】Lv.3を獲得しました』
「グギャー!」
仲間を殺されて激昂したゴブリン・ナイトが、長剣を大振りに振るう。容易く受け止め斬り返すが、円盾で受け止められる。
「グギャ!?」
再度、【隠密】で姿を消し、背後から首を斬り落とした。
『魔力が4UPしました』
『筋力が5UPしました』
『頑丈が5UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が4UPしました』
『【盾術】Lv.3を獲得しました』
「【隠密】のような強力なスキルも無く、奇襲を警戒しないで済んだから、比較的簡単に討伐できたな」
それに、魔法の攻撃手段も手に入った。ただ、魔力量が少ないので、あまり多用はできない。
「よし! スキルレベルを上げ終えたら、今日は帰ろう。ボス戦の対策のために、アイテムを買わないといけないし」
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
目的を達成し、入口へ戻る道中、一組のパーティーに出会した。PKパーティーのこともあり、足早にその場を立ち去ろうとすると、声をかけられた。
「おい! 待て!」
大きな声で呼び止められたので、立ち止まりゆっくりと振り向く。
「何ですか?」
「お前一人か? 仲間はどうした?」
「…」
アイツらと同じ質問。コイツらの質問の意図が分からず、思わず黙ってしまう。
「聞こえてないのか?」
「…何故、それを聞くんですか?」
「質問しているのは、俺の方なんだが…それだけ警戒しているということは、お前ソロだろ?」
「…」
「今度はダンマリか…まぁいい。俺達にとっては、格好の獲物だからな」
クソッ! またPKパーティーか! 一日に二度も出会すなんて、本当に運が無いな。
(それより、どうする…)
逃走するのは簡単だが、それだと同じことの繰り返しだ。二度も、ボス討伐と宝箱を諦めるなんて、我慢ならない。
しかし、戦力差は明白だし、殺さずに無力化できるほど、俺は強くない。
(でも…人殺しなんて…)
想像しただけで呼吸が荒くなり、足が震える。どうすればいいのか、必死に考えていると━━━
「ハハハ! コイツ、足が震えてやがるぜ!」
「人殺しなんて、したことないだろ? 今時ソロで活動するなんて、馬鹿な奴だ!」
「無駄な抵抗はするなよ。苦しむ時間が、余計に長くなるだけだぜ!」
「ビビって声も出せねぇのか!」
男達は、舐め腐った態度で近づいてくる。ここまで馬鹿にされると、頭に血が上り、恐怖が怒りに変わる。
上等だ! ぶっ殺してやる!




