第12話 静かに近寄る悪意
背中に何回か攻撃を喰らいながらも、なんとか討伐することができた。これまでと違い、魔物も戦略と連携を取ってくるので、討伐難易度が一段と高い。
しかしコボルト・アサシンからは、相応のスキルを獲得することができた。
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【気配隠蔽】Lv.3
Lv.3以下の【気配感知】を無効化する。幸運+3
【魔力隠蔽】Lv.3
Lv.3以下の【魔力感知】を無効化する。幸運+3
【隠密】Lv.3
熱や匂い、音、姿を完全に消す。有効時間3秒。幸運+3
【奇襲】Lv.3
意識外から奇襲する時、筋力値と器用値を一時的に1.3倍。筋力+3、器用+3
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この四つのスキルが、今後の戦闘で大いに役立つスキルだ。これなら、二匹同時に相手しても、有利に戦えるだろう。
索敵しながら森の中を進んでいると、少し先にコボルト・アーチャーを発見した。駆け出すと、コボルト・アーチャーがこちらに気付き、弓を構える。
【気配隠蔽】【魔力隠蔽】はパッシブなので、【隠密】【奇襲】を発動し、コボルト・アーチャーの目の前から、一時的に姿を消す。
「ガルッ!?」
驚きから弓を下げ、周囲を見渡すコボルト・アーチャー。そして、背後に回り、首を斬り落とす。
『Lv.8にUPしました』
『魔力が4UPしました』
『筋力が4UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が5UPしました』
ガサ、ガサガサ
音が聞こえた方へ視線を向けると、コボルト・アサシンを見つけたので、同じように討伐した。
『魔力が4UPしました』
『筋力が5UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が5UPしました』
『【剣術】Lv.3にUPしました』
「よし。後は、ボス部屋へ向かう前に、スキルのレベルを最低限4まで上げておくか」
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唯人が周囲を索敵している頃、近くに1組のパーティーが彷徨いていた。全員が30代くらいの男達で、人相はあまり良くない。
実際、格下のハンター相手に強盗を働いたり、女性ハンターを強姦したり、ダンジョン内であることをいいことに、好き放題している連中なのだ。
ハンターギルドは、目撃者や被害者からダンジョン内の犯罪を把握しているが、多くは物的証拠が無いため、逮捕まで至らない。
対策として、ハンターを取り締まるギルド職員が定期的に巡回したり、ハンターは活動中動画を回して、自衛と物的証拠の確保を心がけるように、注意喚起を行なっている。
それでも、中々犯罪が無くならないのが実情だ。
「そろそろ、魔物相手は飽きてきたな。低ランクのダンジョンでも行って、少し遊んでくるか?」
「いいっすね! 今は新人ハンターで賑わっているみたいですし、高校卒業したての若い女がたくさんいますよ!」
「俺は女で遊ぶより、金持ってそうな奴や装備が上質な奴を狙いたいっすね」
「どうします? リーダー」
「俺も女より、金だな。まぁ、パーティーメンバーに女がいれば、一石二鳥だろ。よし、お前ら! 楽しい楽しい狩りの━━━ちょっと待て」
「どうしたんですか?」
「あそこを見ろ」
全員が言われた通りに視線を向けると、そこには、一人で解体作業を行うハンターがいた。
「アイツは…ソロですかね?」
「周囲にパーティーメンバーは見当たらないし、おそらくソロだろう」
「Cランクダンジョンをソロで挑むなんて、命知らずな奴っすね」
「いい獲物がいましたね。まずは、アイツを狩りましょう」
「そうだな」
男達は、殺気とその狙いを隠し、慎重にハンターに近づいていく。




