第10話 ギルド長からの連絡
本来のボスであるオールマイティ・スノウマンの変異強化版━━━オールマイティ・スノウキングを討伐し、攻略報酬として目の前に現れた宝箱に手をかける。
宝箱の中身はボスの素材と━━━黄金色に輝くオーブが入っていた。早速手に取ると、脳内にアナウンスが響く。
『これは、〈スキルレベル・アップオーブ〉です。選択したスキルのレベルを、1レベルだけアップすることができます』
アナウンスが終わると、目の前に全てのスキルが羅列されたウィンドウが表示された。しかも所持しているスキルには、現在のレベルと『(取得済み)』と表記されていた。
ウィンドウをスクロールして一通り確認を終えた後、俺は【転換】のレベルを上げることにした。
しかしその前に、スキルポイントを消費して【転換】のレベルを上げておく。
『【転換】Lv.8にUPしました』
その上で〈スキルレベル・アップオーブ〉の力を借りて、さらに【転換】のレベルを上げる。
『【転換】が選択されました。【転換】のレベルを『8』から『9』にアップさせます』
『【転換】Lv.9にUPしました』
役目を終えた黄金色のオーブは、光り輝く粒子状になって消失した。
以前、【短距離転移】を獲得したBランクダンジョンを攻略した際、極稀に入手できるポイント・オーブを引き当てたが、今回のオーブは全く知らないオーブだった。
おそらくだが、Sランク魔物を討伐しないと入手できない希少なオーブなので、ネットでもあまり情報がないのだろう。
宝箱に納められていたボスの素材と、フィールドに転がっているイエティやスノウ・メイデンの死体を〈マジック・ポーチ〉に収納し、魔法陣で外に戻った。
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外に戻り、現在の時刻を確かめるため携帯の電源を入れる。すると、同じ番号から何回か連絡があったみたいだ。
誰だろう? と思いながら電話をかけ直すと、相手はハンターギルドのギルド長だった。
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「おぉ、松原ハンター! 連絡が繋がって良かった! 私はギルド長の小川だ」
「お疲れ様です、ギルド長。それで、どうされたんですか?」
「実は今、全国で〈死神〉によるハンターの大虐殺が始まっている。そこで松原ハンターには、〈死神〉の捕縛、または討伐を依頼したい」
「何故そのようなことが起きているのか、原因は分かっていますか?」
「いや、一切不明だ。突然なんの脈絡もなく、大規模に暴れ回っているようだ。逃げてきたハンター達からは、10人ほどの集団でパーティーを囲み、虐殺していると聞いた」
「そうですか。ですが、俺一人が動いたとしても━━━」
「いや、既に〈剣王〉〈炎帝軍団〉〈全癒の戦乙女〉など、大手クランには依頼済みだ」
「それなら、問題ないんじゃないですか?」
「それが、Cランク以上のハンターを標的にしているようで、Aランクハンターにも被害が出ている」
「…(上級ハンターまで狙っているのか。〈死神〉にそんな戦力があるとは…)」
「Aランクパーティーと戦うにあたり、〈死神〉は20人ほどの集団で襲撃しているようなのだ。なので松原ハンターには、この者達の対応をお願いしたい」
「分かりました。今北海道にいるのですが、一度東京に戻った方がいいですか?」
「確かそっちには、Aランクダンジョンがあったはずだ」
「ありますよ。さっきまで攻略していたので」
「松原ハンターは大丈夫でしたか?」
「特に何もなかったです」
「それは、良かった。では、再度北海道支部のハンターギルドに確認し、折り返します」
「分かりました」
「では、失礼します」
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電話を切ると、改めて周囲を見渡す。しかし、慌ただしい様子のハンターも職員も見かけない。
おそらくここには〈死神〉はいないと思うが、大人しくギルド長の折り返しを待つことにした。




