第7話 不穏な動きが活発化
唯人がボス部屋へ続く入口を発見し、松明に照らされた長い廊下を歩いている頃、〈死神〉に所属するハンター達が、各地で作戦を開始した。
とあるCランクダンジョンでは、三日月のようなスリットが入った白い仮面と真っ黒なローブを身に纏う怪しい集団が、フィールドをゾロゾロと移動していた。
彼等の標的は魔物ではなく、同じハンター。周囲に他のパーティーがいないことを確認し、魔物と戦闘中であったパーティーを奇襲する。
「テ、テメェらはっ!? 〈死神〉じゃねぇか! 何故、俺達を殺そうとする!?」
「…」
「ク、クソッ! 頼む! 命だけはどうか━━━」
男が言い終わる前に、対峙していた奴とは別の奴に、首を斬り落とされた。そして、全滅したパーティーの装備や所持品は、全て回収し、次の標的を探し始める。
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ここは、とあるAランクダンジョン。劣悪な環境で魔物の討伐難易度も上がるこの場所にも、〈死神〉の面々が訪れていた。
〈死神〉でも、Aランクハンターは貴重な戦力だ。そのため、なるべく戦力の損失を避けるべく、他の場所と比べて、20人ほどの集団で行動するようにしていた。
しかし、これだけの人数が統一された衣装で行動していれば、目敏い者は異変を察知し、ダンジョンを出ていく。
そうなると、彼等の任務にも支障が出るわけで。人数的有利を活かし、素早い動きで孤立したパーティーを囲む。
相手はAランクまで昇級した猛者ではあるが、こちらも同じAランクで、しかも20人もいる。
それだけの人数差があれば、結果も目に見えているわけで。魔法攻撃の物量で押し切り、瀕死のところを近接職がトドメを刺していく。
「お前ら! 一度剥ぎ取りは、中止だ! 魔物が来たぞ!」
当然、こちらの事情など関係なく魔物は襲ってくるが、これだけの人数がいれば、討伐も比較的容易だった。
「よし! 次行くぞ!」
各地で動き出した〈死神〉は、着実にハンターを狩っていく。
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ダンジョン内とはいえ、これだけ大胆に動けば、目撃者から情報は拡散する。テレビやSNSにも取り上げられ、ハンターだけでなく、守られる立場の市民も不安が募る。
ハンターギルドも当然承知しているが、敵の戦力や規模があまりに大きく、後手に回っている。
とりあえず、〈剣王〉〈炎帝軍団〉〈全癒の戦乙女〉など、主要クランに〈死神〉の捕縛、または討伐を依頼した。
それだけでなく、ハンターギルドが抱える特殊部隊も総動員し、事態の解決を図る。
解決できなければ、資源調達や国民を守るハンターの人口が減少し、結果的に魔物や他国によって、国民が脅かされることになる。
それは、なにがなんでも避けなければならない。
そして、我が国の最高戦力(推定)である彼にも協力を願おうと、ギルド長は携帯を手にした。
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