第6話 記念に録画するパーティー
道内にあるBランクダンジョンを巡り、安定して攻略できるようになったあるパーティーは、唯人が攻略中のAランクダンジョンに訪れていた。
雪に足が取られやすく、寒さで身体が思うように動かせない中で、自分達よりも格上のAランク魔物を討伐しなければならない。
前衛のイエティと後衛のスノウ・メイデンが連携を取り、襲いかかってきた。何度も命の危険に晒されながらも、彼等は見事に討伐してみせた。
「ハァ…ハァ…ハァ…勝てた」
「…今回は、マジでヤバかったな」
「あぁ〜疲れた…」
「物理攻撃と魔法攻撃に高い耐性があったせいで、かなり倒すのに時間がかかりましたね」
「そうだな。だけど、俺達は勝利したんだ! 自分達より格上の魔物に!」
「だな! ここで安定して討伐できるようになれば、レベルもランクも上がるぜ!」
「ようやく、Aランクが見えてきたわね! Aランクに昇級すれば、Sランクダンジョンにも挑戦できるし!」
「Sランクダンジョンは、まだ気が早いですよ。まずは直近の目標として、Aランクに昇級しましょう」
「お前は、相変わらずクールだな。それより、今日はパァーッとやろうぜ! 祝い酒だ!」
「よし、今日は朝まで…あれは、なんだ?」
「どこかのパーティーが戦っているみたいね。でも…」
「え、えぇ…圧倒的ですね。イエティとスノウ・メイデンが全く相手になっていません。一体、どこのパーティーでしょう?」
彼等はそれぞれ、【遠視】で戦場を見つめていた。
先程まで大立ち回りをしていたイエティとスノウ・メイデンが動かなくなり、舞っていた雪が落ち着くと、一人の青年が戦場に佇んでいた。
「え? あれって…」
「俺の見間違いか? めちゃくちゃ見たことあるんだが…」
「なに言ってんの!? 五人目のSランクハンター、松原唯人さんよ! まさか、ここで出会えるなんて!」
「あの圧倒的な戦闘も納得ですね。相手がSランクハンターだったんですから」
「な、なぁ、どうする? 声かけてみるか?」
「アンタ、馬鹿なの? ここは、ダンジョン内よ? 魔物だけでなく、同じハンターにも気をつけないといけない場所よ!」
「ここでは相手の迷惑になりますし、いらぬ争いが起きるかもしれません。声をかけるのであれば、外にしましょう」
「だ、だけどよ! ここを逃せば、もう会えないかもしれないだろ?」
「入口で待ち伏せすればいいのよ! 絶対にサインを貰うんだから!」
「よし、そうしよう! ━━━あ! マジかよ! あの数のイエティとスノウ・メイデンを相手にするのか!?」
「は、早く、携帯で動画を撮らないと!」
「お、俺も!」
唯人と同じ新進気鋭のパーティーである彼等は、憧れのSランクハンターが自分達が悪戦苦闘したAランク魔物を複数相手取り、圧倒的に戦う勇姿を、戦闘が終わるまで録画し続けた。




