第11話 昇級
近場のCランクダンジョンに向かおうと、玄関で靴紐を結んでいた時、ある重要なことを思い出した。
それは、俺がCランクダンジョンに挑戦できないということ。なぜなら、挑戦できるダンジョンにはランク制限があるからだ。
俺の場合だと、Dランクダンジョンまでで、Cランクダンジョンに挑戦するには、Dランクに昇級していないといけない。
ハンター登録の時に説明されたはずなのに、こんなに早く挑戦できるとは思ってなかったので、すっかり忘れていた。
当初の予定を変更して、他のDランクダンジョンに挑戦しようかなぁと考えていた時、携帯の着信音が鳴った。
「もしもし」
「私は、ハンターギルドの清水と申します。松原様の活動実績により、Dランクへ昇級することになりました。つきましては、ハンター証の更新手続きを行いますので、一度ハンターギルドへいらしてください」
ちょうどいいタイミングで連絡が来たので、先にハンターギルドに行くことにした。
「分かりました。すぐ向かいます」
「お待ちしております。では、失礼します」
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「手続きが終了しました。これで松原様は、Cランクのダンジョンまで挑戦することができます。しかし、Cランクからは難易度が上がりますので、ご注意ください」
「分かりました」
新しくなったハンター証を手に取り、足早に立ち去る青年の姿を、私は目で追っていた。
別に彼に好意を寄せているわけではない。先程、更新手続きを行なっている時、ハンター登録をした日を確認したのだが、まだ数日しか経っていなかった。
それなのに、ハイオークやハイオーガの素材を売却していることから、既にDランクダンジョンを2つも攻略しているのだ。
私は、ハンターギルドに就職して五年以上になるが、こんなに早く昇級した新人ハンターは、出会ったことがない。
(まさか…ユニークスキルを獲得したのかしら…)
そうであれば、驚異的な昇級の早さにも納得がいく。
(彼の動向には、注目しておいた方がいいわね)
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ハンター証の更新手続きを済ませ、改めてCランクダンジョンへやってきた。
「ふぅ…よし! 俺なら大丈夫だ」
少し緊張した足取りで、森林の中を進んでいくと、頭上から風切り音が聞こえた。咄嗟に飛来する矢を斬り払い、襲撃者の姿を確認する。
身長はホブゴブリンと同程度、狼頭、白い体毛に覆われたハイコボルトの上位種━━━コボルト・アーチャーが、枝の上から俺を見下ろしていた。
すぐに駆け出すと、矢が放たれる。再度、矢を斬り払って見せると、コボルト・アーチャーは、枝から少し先に着地すると、弓を構え直す。
(チャンスだ!)
距離を詰めて長剣を振り上げると、コボルト・アーチャーは、弓を下げ後方へ飛び退く。
「次こそは━━━ぐっ…痛! な、なんだ!?」
足を踏み出そうとすると、突然背中を斬りつけられた。背後に振り返ると、血が滴る短剣を手に持つ、コボルト・アサシンが立っていた。
「くっ…誘い込まれたのか」
幸い、俺の頑丈値とコボルト・アサシンの筋力値に差があったためか、背中の傷は浅い。
傷は、後でポーションで回復するとして、まずはこの二匹を相手にどう戦うか。
(コイツらの戦い方は、遠距離攻撃で敵を牽制しつつ、隙をついて奇襲する感じだろう。なら━━━)
その後、二回ほど同じ戦い方をすると、あることに気付いた。それは、コボルト・アサシンは、必ず背後から襲ってくるということ。
行動パターンが決まっているなら、なんとか対処できるはずだ。二匹から目を離さず、ポーションで背中の傷を治癒する。
再度、コボルト・アーチャーに向かって駆け出し、コボルト・アサシンを誘う。コボルト・アーチャーが弓を下げたので、すぐに背後へ振り返り、コボルト・アサシンを袈裟懸けにする。
『魔力が4UPしました』
『筋力が5UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が6UPしました』
『【剣術】Lv.2にUPしました』
『【気配隠蔽】Lv.3を獲得しました』
『【魔力隠蔽】Lv.3を獲得しました』
『【隠密】Lv.3を獲得しました』
『【奇襲】Lv.3を獲得しました』
『【異臭感知】Lv.4にUPしました』
仲間が殺られたことで驚き、隙だらけのコボルト・アーチャーの首を斬り落とす。
『魔力が4UPしました』
『筋力が4UPしました』
『頑丈が4UPしました』
『敏捷が4UPしました』
『知力が4UPしました』
『精神が4UPしました』
『器用が5UPしました』
『幸運が5UPしました』
『【弓術】Lv.3を獲得しました』
『【遠視】Lv.3を獲得しました』
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