第3話 親孝行も兼ねて北海道旅行
ステータスウィンドウを閉じた俺は、ベッドの上に宿泊に必要な物を並べていく。ただ、宿泊先のホテルは最高級のホテルなので、なんでも揃っている。
なにか忘れ物があっても、最悪携帯と財布があればなんとかなる。なので念入りに確認はせず、次々と〈マジック・ポーチ〉に収納する。
「父さん、母さん。もう準備はできた?」
「えぇ、大丈夫よ」
「あぁ」
今回の北海道旅行には、父さんと母さんも一緒だ。父さんは引っ越ししてから在宅ワークに変わったので、仕事は宿泊先でも可能。
勿論旅行代は全て俺持ちで、初めて親孝行できることを、嬉しく思う。
「それじゃ、行くよ!」
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
最高級ホテル同様、予め予約していたファーストクラスに搭乗し、北海道へ向けて旅立った。
機内でアクション映画を観ながら、高級料理に舌鼓を打ったり、美人CAのスカート越しの尻やストッキング越しの足を見たり。
そんな風に初めての飛行機を楽しんでいると、あっという間に空港に到着した。そこからはタクシーに乗り、宿泊先の最高級ホテルへ向かった。
ホテルに到着した俺達は、キャリーケースを爽やかイケメンのホテルマンに預け、後ろに続く。
最初に向かったのは、最上階のスイートルーム。ホテルマンに扉を開けてもらった俺達は、その部屋の広さと豪華さにとても驚いた。
「ね、ねぇ、唯人。これは…お父さんとお母さん、持て余しちゃうわ」
「そ、そうだな」
「ま、まぁいいじゃん! せっかくの旅行なんだし、大いに羽を伸ばそうよ!」
思わず、上擦った声で返事をしてしまった。今後もこういう機会はあるので、父さんと母さんには申し訳ないが、慣れてほしい。
それにここには、Barやトレーニングルーム、プールなどもあるので、色々と楽しんでもらいたい。
続いて、俺の部屋に案内してもらう。俺の部屋は、父さんと母さんの部屋の真下だ。ここも十分広く豪華なので、なんかソワソワする。
逆にダンジョン内の方が、居心地が良いとさえ思える。
今回の旅行代は、一般人からすれば目玉が飛び出るほどの金額だが、Sランクハンターの俺にとっては、痛くも痒くもない。
そもそもSランクハンターになったはいいが、俺は車やファッションに全く興味がないため、稼いでも金が減らない。
だから、舞妓さんの店のように誰かと出掛ける機会や親孝行の時は、奮発しようと決めた。
あ、あと! 女の子のお店も奮発しないとな!
早く童貞を捨てたい気持ちはあるが、どうしても緊張で尻込みしてしまう。
(ファイアー・ドラゴンやエンプレス・アントと戦った時は、こんな気持ちにはならなかったのに!)
「ふぅ…さて、気持ちを切り替えてAランクダンジョンに向かうか!」
俺は母さんに連絡すると、足早にホテルを後にした。
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