第1話 苛烈になる兆候と能力変更
ここは、とある場所の一室。先日、京都のAランクダンジョンでスタンピードを引き起こした四人が、横並びに整列し、報告をしていた。
「そうか…任務は失敗したか」
「はい。失敗した原因は、新たなSランクハンターの個体戦力が、我々の想定以上だったからです」
「報告によれば、Sランク魔物を一撃で斬り伏せ、【氷魔法】の広範囲殲滅魔法を行使したと言っていたが、それは確かなのか?」
「はい。事実です」
「Sランク魔物を斬り伏せる剣技に加え、百匹近いAランク魔物を殲滅できる魔法…確かに、それを可能とするユニークスキルを所持していると、考えるべきだな」
「はい。他の四人に比べて、明らかに強いです」
「分かった。今後は、松原唯人とその関係者には絶対手を出さないよう、皆に通達しておけ」
「「「「了解です」」」」
「そしてお前達は、松原唯人の動向を監視しろ。任務の邪魔をされたくない」
「「「「了解です」」」」
「お前達の報告を聞き、作戦決行場所を決める。そうすれば任務を邪魔されず、この国の戦力を削ることができる」
「「「「…」」」」
「それと、傘下の者達にも命令を下す。内容は、Cランク以上のハンターを殺せ。殺害した人数によって、報酬は変動。いいな?」
「「「「了解です」」」」
「決して、パーティー単位で行動するな。大人数で事に当たるよう、注意しておけ」
「「「「了解です」」」」
「下がっていいぞ」
「「「「失礼します」」」」
これからより〈死神〉の動きが、苛烈になっていく。
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京都から帰宅した俺は、自室で机の上に置かれている白い紙と向き合っていた。松本さんと別れた後、素材を売却し、白い紙の鑑定を依頼した。
この白い紙は〈能力変更の記載紙〉と言い、スキル名と効果の詳細を書き出した後、どのように内容を変更したいか書けば、効果が変化するようだ。
ただ制限があるようで、変更不可能であれば白紙に戻り、書き直しは可能だそうだ。
既に二つほど案があり、早速実行するとしよう。まずは━━━
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【隠密】Lv.8
体温や体臭、足音、姿を完全に消す。有効時間8秒。
幸運+8
・変更箇所
有効時間8秒→制限時間無し
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俺の戦闘方法をより強力にするために、【隠密】の有効時間を無くそうと思ったわけだが…失敗した。
机上には白い紙が残っており、先程書いた文章が消えている。ステータスを確認しても、スキルの詳細に変化は無かった。
なら、次だ!
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【転換】Lv.7
レベルMAXのスキルの余剰経験値を貯めて、別のスキルに割り振れるようになる。
余剰経験値の貯まる割合は、スキル経験値の7%。
魔力値+7
※解放条件:何か一つのスキルがレベル10
・変更箇所
スキル経験値の7%→スキル経験値の70%
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これも失敗…つ、次だ!
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【短距離転移】Lv.5
半径5メートル以内であれば、自由自在に転移できる。
敏捷値+5
・変更箇所
半径5メートル以内→目視または一度訪れたことがある場所
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これも失敗…俺の願いは高望みし過ぎのようだ。
(他は、何があるかな…)
あ、そうだ! これなら━━━
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【転換】Lv.7
レベルMAXのスキルの余剰経験値を貯めて、別のスキルに割り振れるようになる。
余剰経験値の貯まる割合は、スキル経験値の7%。
魔力値+7
※解放条件:何か一つのスキルがレベル10
・変更箇所
レベルMAXのスキルの余剰経験値を貯めて、別のスキルに割り振れるようになる。
↓
レベルMAXのスキルの余剰経験値や能力値を別のスキルに割り振れるようになる。
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最後に試したモノは無事成功し、ステータスを確認しても、しっかりと詳細が変化していた。
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