第26話 森の暗殺者と大量殺戮
入場手続きを済ませダンジョンの入口を潜ると、目の前には鬱蒼とした森林が広がっていた。
早速〈光学迷彩のローブ〉で周囲の風景に同化し、〈バルムンク〉ではなく〈百足王の死毒短剣〉を両手に握る。
さらに、【気配隠蔽】【魔力隠蔽】で存在感をなくし、軽快な足取りで木々の間を進んでいく。
(見つけた!)
木に肩を寄せ、向こう側にいるパーティーを狙う魔物を発見した。
背丈はゴブリンと同じくらい小柄で真っ赤なとんがり帽子を被り、両手に短剣を握る魔物は、レッドキャップだ。
【看破】で所持スキルを視るに、【奇襲】【気配隠蔽】【魔力隠蔽】【隠密】を所持しているので、コボルト・アサシンと同じ森の暗殺者と呼ばれている。
しかも集団で襲ってくるので、あのパーティーの周囲には、レッドキャップが何匹も潜伏しているはずだ。
あのパーティーはまだ戦闘体勢に入っていないので、横取りにはならないだろう。
「グギャ!」
【隠密】で姿を完全に消し、あっという間に距離を詰め、レッドキャップの首を背後から斬り落とした。
『魔力が7UPしました』
『筋力が9UPしました』
『頑丈が7UPしました』
『敏捷が7UPしました』
『知力が7UPしました』
『精神が7UPしました』
『器用が9UPしました』
『幸運が12UPしました』
レッドキャップの死に際の声を聞き、向こうにいるパーティーが驚いて警戒心を高め、他のレッドキャップがこちらに移動し始める。
俺は死体をそのままに、木の枝に向かって跳躍し、他のレッドキャップが来るのを待つ。
そして、仲間の死体を見て隙を晒しているところに、頭上から襲撃した。
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〜
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『Lv.79にUPしました』
『魔力が7UPしました』
『筋力が9UPしました』
『頑丈が7UPしました』
『敏捷が7UPしました』
『知力が7UPしました』
『精神が7UPしました』
『器用が9UPしました』
『幸運が12UPしました』
ボス部屋へ続く入口を見つけるまで、レッドキャップを50匹くらい討伐した。レベルは上がったけど、既得スキルのレベルが上がることはなかった。
まぁ余剰経験値が少し貯まったから、良しとしよう。
ボス部屋に入ると光球が降ってきて、ダンジョンのボスが姿を現す。レッドキャップより一回り大きい魔物━━━レッドキャップ・リーダー。
出現すると同時、下卑た笑みを浮かべ【隠密】で姿を消す。俺の背後に素早く移動し、短剣で首元を狙うレッドキャップ・リーダーは、勝利を確信していた。
「ライトニング・ストライク」
俺が小さく呟くと、迸る落雷がレッドキャップ・リーダーを消し炭にした。
『魔力が11UPしました』
『筋力が14UPしました』
『頑丈が11UPしました』
『敏捷が11UPしました』
『知力が11UPしました』
『精神が11UPしました』
『器用が14UPしました』
『幸運が18UPしました』
ついこの間、多数のAランク魔物とSランク魔物を一瞬で討伐した俺にとっては、この程度朝飯前だな。
やはり歯応えを感じるのは、Aランク以上のダンジョンだな。ボス部屋がボスに有利な環境で、さらに下位種を率いてくるから、とても楽しい。
「北海道のAランクダンジョンは雪原、沖縄のAランクダンジョンは海みたいだからな。一度は挑戦しないと!」
そして、国内のAランクダンジョンを制覇したら、外国のSランクダンジョンに挑戦してみたい。
「一体どんな魔物がいて、どんなスキルを所持しているのか…」
未来に想いを馳せつつ、宝箱に手をかける。中身はボスの素材と…首輪? チョーカー? みたいな物が入っていた。
「ダンジョン攻略はこういう楽しみもあるから、辞められない。どんなアイテムなんだろうなぁ」
足早に魔法陣の上に立ち、外に転移した。




