悪魔の生き返り。
きずいたら私は水の中にいた。
水攻め?
あー。ここは地獄なんだ。
人生ついてないと思ったら人生終わった後もついてないのかー。
と、思った。
でも、私は死んでいなかった。
水の中で酸素マスクをつけられていた。
まるで、映画の中のようだ。
そして聞こえた。
「血圧測定不可、脈拍260です!先生、この子ヤバイですよ!!!!」
「なんで・・・こんなに脈拍も血圧も高いんだ・・・!!」
私の薄れて行く意識の中でそんな言葉が聞こえる。
私、なんでこんなことになったんだろ・・・。
「早く、集中治療室につれていくんだ!!!!!」
「はい!!!」
私・・・どうなるんだろ。
「せ、先生!!コレ!!!!!!!」
「あ・・・そ、そんな・・・・え・・・・コレは・・・!?」
そこで、私の意識は途絶えた。
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「真夜ちゃん!!!真夜ちゃん!!!!!!」
真夜は息も無くただ倒れているだけだ。
そして亜和は秋元に問いかけた。
「ねぇ!!!なんで!?なんで!?何でアンタの体の中に真夜ちゃんの心臓が入ってるの!?何で!!!!!」
「・・・・・・」
「アナタなら助けられるでしょ!!!!!ねえ!!!!!!」
「・・・・・・・・俺は何も知らない」
「何ソレ!!!!アンタ今の今まで余裕で話してたでしょ!!!もう体力も回復してるでしょ!!!!」
「知らないんだ。本当に」
「何ソレ何ソレ何ソレ!!!!!!・・・・・もういい。もっかい眠ってて」
そう言って亜和は秋元の首を刎ねた。
「ねえ!!!真夜ちゃん!!!!!!」
「・・・・・・・・」
「真夜ちゃん・・・」
涙が止まらない。
ココへ来て一番の友達になった真夜ちゃん。
何で・・・。
嫌だ。こんな現実受け入れたくない。
「亜和」
「!!!!!」
いきなり後ろから声がして驚いた。
振り向くと佑太が立っていた。
「佑太君!?な、何で!?」
「・・・僕は、いや・・・・私が本当の秋元だ」
「何言ってるの?意味がわかんないよ?それより真夜ちゃんが・・・・!!」
「それは人ではない」
「冗談言ってないで早く来て!!!」
「それは、君だ」
「意味不明なこと言ってないで早く!!!!!!!!」
そして佑太は大声で言った。
「それは、真夜は、君の人格だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
いきなりの大声で亜和は驚いてしまった。
しかし亜和は今は佑太の言葉より目の前の真夜のことを大切にした。
「佑太君!!早く!!!!」
「・・・・。亜和、"昔話をしてあげよう"」
その一言は、何か忘れかけている言葉だった。
どこかで聞いたことのある大切な言葉。
好きな人にいわれたこの言葉。
思い出せそうで思い出せない。
もどかしい何か。
頭の奥で引っかかる。
「昔々あるところに人魚姫がいました」
「!?」
「その人魚姫は、人間の男の子に恋をしました」
「!!!!!!」
「しかし、人魚姫の恋は叶わない。人魚のお姉さんたちは王子を殺せと言った」
「や・・・やめて・・・・」
「しかし心やさしい人魚姫は王子を殺さず、自殺した」
「ダメ・・・・や・・・・」
「人魚姫は風の妖精となりその後の時間を楽しく過ごしましたとさ」
「やめてよ・・・・頭が痛いよ・・・・」
しかし、佑太はやめない。
「昔々あるところに火を吹きすぎて嫌われているドラゴンがいました」
「だめぇ!!!!!!!」
「でもそのドラゴンはとてもとても優しいドラゴンでした」
「やめろって言ってんだろォォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
亜和は佑太に鎌を振った。
「!?」
佑太の体に確実に当たったのに佑太から血が一切出ていない。
そして佑太は話を続けた。
「ドラゴンはある日龍狩りの男にみつかった」
「やめて・・・・」
「しかし、龍狩りはドラゴンを殺さなかった」
「ウアアアアアァァァァアア・・・」
亜和は痛みのあまり倒れたが意識はあった。
佑太はそのことを確認してまた話始めた。
「理由は、その龍狩りはドラゴンの優しさを知っていたから」
「ガッあぁ・・あ・・」
「そしてドラゴンは、龍狩りに問う"何故、龍狩りのくせに殺さない?僕に優しさがあるからって龍狩りが僕を殺さなかったら君が殺されるんだよ?"」
「や・・・て・・・」
「龍狩りは静かに答えた"何の罪もない龍を殺して何の意味がある?"」
「がぁ・・・」
「ドラゴ「ヤメロォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
亜和がまた切りつけた。
「ッガ」
なぜか今度は血が出た。
亜和はニヤリと笑った。
そして佑太も笑った。
「さぁ、出ろ。悪魔」