悪魔の憤怒。
「・・・え?」
亜和は今言ったことがまともに聞き取れなかった。
「だからさ、人を殺したんだよ。分かる?2人殺したんだよ。もう車の中血だらけで困ったよ~」
冗談と思っていいのだろうか。
だってこの人なんか笑いながら言ってるし、人が死んだならもっとしんみりしたかんじで言うと思う。
まぁ、冗談なら笑って合わせよう。
「あはは。そうなんですか~。血だらけってあははは」
「あ。笑えるってことはそんなに気にしてないんだ?へぇ~珍しいね。人を殺して平気なヤツ」
「え?」
亜和の笑いが止まった。この人平然と話しているから冗談かと思ったのに。まさか。
「え?冗談でも思ったの?あ。じゃぁ、このビデオ見る?」
そう言って男はどこかへ電話し、そしたらまた知らない男がテレビを持って入ってきた。
「コレを見るが良いよ」
男はテレビのボタンを押した。すると、そのビデオからは、豹変した亜和と泣き叫ぶ男達。
そして、次の瞬間亜和は目を疑った。
『うゎゎゎわわわっわぁぁあぁぁああぁぁぁぁぁあああぁぁあぁぁぁあ』
亜和の手にぜか大きな鎌があり、亜和は男の腹を深く引き裂いていた。
『ああああああああああああああああああああああああああああああああああ』
そして亜和は驚くことに、腹を引き裂いた男の首を鎌で斬り、そしてもう1人の男には鎌を顔に向けて振り、男の顔から血や他にも色々でてきた。そして、男の目をむしり取り潰し、その後はもうメチャクチャであった。
そこでビデオは血で見えなくなった。
「え・・・・あ・・・う・・・そんな・・・・っうぅ!ぉえっ」
あまりにもリアルで、グロすぎるこのビデオを見たせいで亜和は吐いてしまった。
「分かったかい?君の覚醒でこうなったのだよ」
「な・・・なんで・・・こんなことに・・・」
亜和はボソッと独り言を言ったら男は聞こえたらしく、男は答えた。
「あ~。ソレ、私のせいだよ」
サラッとそんなこと言うから聞き逃してしまった。
「え?」
「だから、そのウイルス作ったの、私だよ」
「・・・な、なんでですか」
すると男は平然と答えた。
「私はなんとなく世界がぶっ壊れるような事のできるウイルスが作りたかったんだよ。だから作った。
ただそれだけの事だよ。ちなみにウイルスをばら撒いたのも私だ」
なんでこんな堂々と言えるのだろうか。
「でも、このウイルスに感染してもハズレのヤツはいる。例えばアレルギー症状が出るだけとか、死ぬとか君みたいな覚醒症状のでないヤツはハズレだ」
「じゃぁ、なんなんですか。私はアタリって言うんですか?」
「あぁ。良かったな」
その一言でなにかが切れた。
先ほどのビデオほどではないが、目はまた赤黒く、翼も生え、角もでた。
「おぉ。怒りに乗じて再び覚醒か。まぁ、コッチまでこれるわけが無いが」
男は自信満々に言った。
亜和はどこからか大鎌を出し、男に向かって走った。
「ぁあああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ」
しかし、男は動かない。
男は動かない理由。それは、男の目の前には特別強化ガラスが張ってあり、このLv.2施設で収容せれているヤツこの強化ガラスは割れない。そう確信していた。
しかし、その確信はすぐに崩れた。
「バァァァァァァァァァァァァン」というガラスの割れる音と共に強化ガラスが割れた。
「っな!?何ぃぃぃぃ!?!?!?!?!?」
男はすぐさま部屋の外に逃げた。
亜和は部屋のなかで鎌を振り回し、叫んでいる。
「あぁああぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁあぁあぁあぁああああぁぁあ」
男は部屋の外であるボタンを押した。
すると、部屋の中に水が入り、亜和は落ち着いた。
「07号を施設Lv.7に移せ。アイツは強力すぎる」