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悪魔の過去。

その血は、亜和の物でもなくもがいている秋元でもない。

気絶している兎雫丸のものでもなく大量出血で果てている佑太でもない。


真夜のものだった。


秋元に入っていた心臓は、真夜のものだった。



「な・・・・なんで・・・・・?」


グシャっと音を立て真夜は亜和の上に倒れこんだ。


「真夜・・・ちゃ・・・・・」



亜和と真夜も驚いているが、秋元も驚いていた。

驚きで、声も出なくなっていた。



「真夜・・・・ちゃ・・・・ん・・・・」



亜和の手の上で張り裂けた心臓。

微妙に脈が打っているが、真夜は動かない。



「なんで・・・・なんで・・・なんで・・・・なんで・・・・」







「イ、嫌だァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」





***************************





お父さんの話はいつも楽しい話で、心をウキウキさせてくれる。

人魚姫の話、優しい火をはくドラゴンの話、小さな幽霊の話、新しくできた兄弟の話・・・

その中で私が一番好きだったのは、小さくてかわいい悪魔の女の子の話だった。

悪魔の女の子は自分の力でみんなに迷惑をかけてしまうが、最後にはみんなと仲良くなるという話。

その女の子に私は憧れた。

強く憧れた。


お母さんに迷惑をかけてしまう私、体が小さくて弱虫でいじめられる私。


お母さんに迷惑をかけると、お母さんは怒って私を叩く。

最初は軽くだった。

でも、最後には体中痣だらけ。


いじめられた理由は私が友達に蝉を採ってと言われた時、私は怖くて泣いてしまった。

その日から私はいじめられた。



でも、お父さんは優しかった。

お父さんは私が迷惑をかけても気にしなくていいよと言ってくれた。

私がいじめられていることを知ったらお父さんはいじめっ子を叱りに言った。

お父さんは優しくてかっこいい。



でも、お父さんから離れた時間はどれも苦痛でしかなかった。

最近お母さんは火のついたタバコを私の体に押し付けたり、お父さんがちゃんと仕事をしてお金があるのに私は色々なところで働かされた。

最終的には知らない男の人と裸で色々やっていた。

なんでお母さんは私にやらせるの?と聞くと。


「私はあんな汚い奴らとできないわ。口答えするなら死んで」


と言われた。

私は死ぬのは嫌だからお母さんの言うことをちゃんと聞いた。




弱虫は言われなくなった。

でも、変わりに淫乱と言われた。

意味はよくわからない。

先生と1対1で話すことになった。

教室ではなく小さなプールの更衣室に連れて行かれた。

まだ夏ではないのになんでだろうと思った。

プール清掃かな?と思った。


でも、違かった。

先生は私に抱きつき、押し倒してきた。

結局先生も男の人なんだ。

私は最初先生を拒んだ。

しかし、先生に「君は淫乱だからこんなの日常茶飯事だろう?」と言われた。

意味はよく分からなかったが、いつもやっていることをやれということなんだろう。

私はいつもやっていることをやった。




ボロボロになった私は、家に帰った。

すると、お母さんは知らない男の人と裸でキスしていた。

お母さんは「あ。おかえり」と言った。

あまり知識のない私でもこれは浮気なんだと分かった。

途端に私は家から飛び出した。

お母さんはお父さんを裏切った。

走って、走って、走った。そしてぶつかった。


「どうしたんだい?」


お父さんだ。

私は、お父さんの胸に顔をうずくめ泣いた。

そして今日はお父さんの家に泊まった。



お父さんは昔みたいに楽しい話をしてくれた。

心があったまり、今日の事なんてきれいさっぱり忘れられた。

そしてお父さんは寝る前にこう言った。


『そう。

結局は全ての時とタイミングと少しのいたずらがいけなかったんだ。


いや、違う。

全ては僕のわがままから生まれた悲しい話なんだ。

聞いてくれるかい?

僕が君へ送る最後の話を-----------------』



翌日、お父さんの姿は無く手紙がおいてあった。

手紙を読もうとした時にインターホンが鳴った。

手紙をポケットに入れ、玄関を開けると男の人が3人いた。

一人は「君を迎えにきた」

一人は「車に入って」

一人は「ホラ」


車に入り、知らないところに向かわされた。

着くと、大きな建物が一つあった。

入ると人がいっぱいいた。

私は3人に連れられ最上階まで連れて行かれた。

すると、若い男の人が立っていた。

会っていきなりその人は私を押し倒した。

よくわからないが、私はまたいつも通りにした。



その後聞いた。

私はなんでここにいるのか。

その人は答えた。

私を買ったそうだ。

お母さんは私を売ったのだ。

そして男の人は言った。


「それにしても君のその痣ヒドいね。お父さんにやられたんだって?」


耳を疑った。

お父さんにやられた覚えなんてない。

誰から聞いたのか聞いた。


やはりお母さんだった。

お母さんは私を売ったうえに自分をかわいそうな人に見立て上げたのだった。


お父さんの手紙をを思い出し、ポケットからだした。

内容は、「朝ごはん買ってくる」と書いてあった。


お父さんは知らないの?と聞くと言ってないってと答えが帰ってきた。

私は、涙がとめどめもなく流れた。

飴玉のような大きい涙が流れた。

男の人は驚いき、あわてていたが、私は涙を拭いてなんでもないと言った。

そしたらまた男の人は私を押し倒した。




そして、私に友達ができた。

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