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悪魔の知。

「君ニハ最初、全テヲ知ッテモラウ」

「・・・・ん」

「ツイテキテ」


すると、イルの目の前に道が広がった。

異様な光景である。

進んでいくと、3つの扉が現れた。


「好キナドアヲ開イテ」

「うん」


直感で真ん中の扉を選び、ドアノブを引いた。

中に入ると、大勢の人間がいた。

皆、忙しそうに走っていた。

室内の雰囲気的に病院だろうか?

聞いてみようと、立っていた男に話しかけた。


「すいません・・・」

「・・・・・・・・」

「あのー」

「・・・・・」

「クソジジー」

「・・・・・・・・」


男は一言も答えておらず、無視どころかこちらを見向きもしない。


「彼ニハ僕達ノ声ハキコエテイナイ」

「え・・・!?」


いつのまにか隣にイルが立っていた。

そして、イルは何処からか出したか分からないが包丁を持っていた。

そして、その包丁を男に突き刺した。


「・・・・・・・!?な、何してるの!?」

「大丈夫。彼ニフレル事モデキナイノダカラ平気」


そう言われ、よく見ると血も一切出ていなく、痛がってもいない。


「コノ光景ハ、君ガ生マレル瞬間ノ時間」

「は?」

「意味ハソノママ。ホラ、見テテ。出テキタヨ。君ガ」


自分が生まれる瞬間を見るのは少し異様だと思った。

しかし、親にとっては感動の瞬間なんだろう。

お母さんが泣いているところが見える。

しかし、その涙は違う涙だった。





***********************************






「戯獣化とは、覚醒を超えた力」

「はぁ?」

「ある意味アイツに勝てるかもしれない。でも、自我が利かなくなる」

「それと、佑太の体がおかしくなるのは違うだろ!?」

「一緒。戯獣化とは、力を手に入れるのと同時に体も変形する」

「!?」

「そして、その変化に耐えられないと、ああいう感じに体が大破したりする」


秋元が急に口をはさんだ。

そして


「「ホラ、見てみな。腹から血が出なくなったよ?すばらしいね」」

「!?」


佑太を見ると、出血多量で血がでないのではなく、血どころかさっきまでできていた傷すらなくなっていた。


「ゆ・・・うた?」

「・・・・・」


佑太は怯えて隠れていた兎雫丸に目をやった。

この目は親しい人を見る目というよりは


「・・・・・!?兎雫丸!!!!逃げろ!!!!!!!」

「え?」


気付いたころにはもう遅かった。

兎雫丸の右腕を引きちぎられていた。


「ゎ、ゎゎゎゎゎわわわわわわわわわわわぁぁぁぁっぁぁあああああああああああああああ!!!???!?」

「兎雫丸!!!!!!!」

「・・・・・・・・・」

「佑太・・・・お前!!!!!」


兎雫丸はその場で倒れこんでしまった。

真夜は佑太を睨むが、佑太はどこか遠く、違うところを見ていた。


「「さぁーて!なんでかなぁ?佑太君がこんなになっちゃったのはー??」」

「お、お前!!!なんで秋元と一緒に楽しんでんだよ!!??」

「あー・・・・言ってなかったね」

「はぁ!?」

「俺は・・・いや、俺達かな?」

「・・・・・?」

「俺は、秋元のクローン。秋元の研究からうまれた秋元による秋元のためのクローン」

「はぁ!?」

「こうすればー秋元に変身!!」


男は秋元のかけていた黒ぶち眼鏡をかけた。

驚いた。

さっきまで男だったのに、秋元になっていた。


「どう?そっくりでしょ?」

「あまり調子に乗るな。0-267。お前はクローンの中でも、おしゃべりで困る」

「すいませーん」


奇妙だ。

二人の男と秋元。

真夜は、考えた。

よく考えた。

男に会うたびに不利な状況に陥る。

初対面の場面。

巨大イカとの遭遇。

秋元との全ての呪い。

佑太の愛。

戯獣化。

真夜は、頭が痛くなる。

何がしたいのかわからなくなる。


「・・・・!?」

「おぉ!?まさかぁー・・・・」

「い・・・・痛・・・・」

ズシャッ

「おお!!!!」

「そ・・・・んな・・・ぁ・・・・・」


真夜の腕から、大きな鰭が出てきた。

すると、次々と体から鱗のようなものも浮き出てきた。


「い・・・いゃ・・・・ぁあ・・・・」

「「いいねー♪いいねー♪」」

「やぁ・・・・・あぁああぁぁぁあ・・・・・」


激痛が伴う。

それと同時に、悲しみでいっぱいの涙がでてきた。




しかし、その涙はとまった。

余裕の秋元達の笑みもとまった。





目の前に立っていた。






悪魔の救世主が。



「あ・・・・・亜和・・・・・!!!!!」

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