悪魔の世界。
悶え苦しむ佑太に対して秋元は苦しむ佑太を見て楽しんでいた。
「戯獣化は久しぶりに見た」
そして、秋元は佑太の元へ歩みよった。
「ああああぁぁぁああああぁぁあぁ、ぁ、ぁ、あぁぁ・・・」
秋元はにっこりと笑った。
「!?」
その瞬間、佑太の腹から血が噴き出した。
血だけではなく、臓器もボタボタと垂れ落ちるように出てきた。
「佑太ァァァアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」
思わず真夜は佑太の元へ走った。
駆け寄ると、佑太は目が奇妙に動いていた。
「佑太!?大丈夫か!?佑太!!!」
佑太は動かず、目だけがグルグル回っていた。
「秋元・・・テメぇ・・・・」
「僕は何もしていないよ」
「何言ってんだ!!!!!佑太腹から血ぃ流してんじゃねーか!!!!!!!!!!」
「戯獣化の第2段階に見られる現象だよ」
「・・・?」
「分からないのも無理もないね。そこの君、説明してやれ」
秋元は男を指差しそういった。
「俺っすか?」
「うん」
「・・・・・はぁ」
「そもそも戯獣化っていうのは・・・」
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頭が痛い。
いや、頭だけじゃない。
もっと、なんていうか・・・・全体なのかな・・・。
としかく痛くてたまらない。
痛い。
痛い。
痛い。
痛い。
いたい。
イタイ。
イタイ。
ィ……たァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
頭が揺れる。
腹が捻れそう。
指が回りそう。
足が痙攣する。
もう何も分からない。
今なんて言ってるの?
てゆーか今なにを声で発しているの?
なにもかもが、全てが飲み込まれそうで怖くて、もう何も考えられない。
俺ってなに?
それとも私?
吾輩?
ぼくちん?
I am ?
もう何もわからない。
目が…。
神経が…。
髪が・・・・。
「一緒ニ殺ソウヨ」
「!?」
「ネェ、キミハワタシ?」
「誰?」
「・・・・イル」
「ここは何処?」
「・・・・分カラナイ」
「君は・・・なに?」
「ワタシハ・・・ボクカモシレナインダ」
「?」
「ボクハ、記憶がナイカラ全部何モカモワカラナイ」
「・・・・名前は分かってんじゃん」
「オ母サンガツケテクレタ名前ダカラ知ッテルノ」
「へぇ」
すると、目の前にいた子供は急に苦しみだした。
「ど、どうしっ・・・いった・・・・」
痛くなった所を見ると、左の胸が削られていた。
でも、不思議と驚かなかった。
でも、さすがにこれは驚いた。
目の前の子の首から上がなかった。
「・・・・」
「ネェ」
「何?」
「ボクト一緒ニ楽シイコトヤロウヨ」
「・・・・・なんで」
「ボクハ、全部ガタリナイ」
「・・・・・・・」
「君ハドウ思ウ?」
「元に戻りたい」
「・・・・?」
「もう大切なものが何もないあの世界は行く必要がないかもしれない」
「・・・・・」
「でも、本当のことを知りたい。知って、生きていく」
「ワカッタ、ソレガ・・・・君ノ答エ」