悪魔の混乱。
私は「施設」という所に運ばれているらしいが、そもそも施設とはなんだ。
聞いてもこの人達はなぜか怯えて教えてくれない。さっきまでの態度とは大違いだ。
でも、なんでいきなり態度が変わったんだろう。
不思議だ。
そういえば、アイマスクをとってからなんか態度が変わった。
私の目になんかへんなものでもついているのだろうか。
「あの・・・」
「!!!!」
「そんな驚かなくても・・・」
「あ、あああ、あ・・・殺さないでっえっぇ」
「いや、殺しませんけど。あの、鏡貸してもらってもいいですか?」
「あ・・・はい・・・」
男は鏡を亜和に渡し、亜和は鏡で自分の目を見た。
「え・・・あ・・・う、うそ・・・ぁ・・・」
声が上手く出せなかった。息がつまる。
こりゃ普通見たら驚くな。
だって、目の色が赤いんだもの。赤って言ったって絵の具とかで使うきれいな赤じゃなくて血のように黒ずんでいるが深みのある赤い色の瞳だった。
でも、これを見て殺されるなんて思うほどの概念を抱かせるほどのものではないと思うが。
この人達はなにか知っている。
そんなことを考えていたらいきなり背中に激痛が走った。
「あっ・・・がぁっ・・・いっぁぁ・・・うぐいっ・・・」
すると、血と一緒に亜和の背中から黒い、硬い、「翼」がでてきた。
同時に額から「ツノ」が出て、目もさっきよりずっと赤黒くなった。
「お、おい、う、後ろ!!!!」
「え?後ろ?・・・・ゎああああああ」
亜和の記憶はそこで途絶えた。
目が覚めると真っ白い部屋にいた。
なぜか近くに鏡がおいてあるのでその鏡をとり、自分の顔をなんとなく見た。
驚いた。顔には返り血、髪は白髪だか銀髪だか。目は赤いまんま。
「な・・・・なにこれ・・・・・」
驚いていると、ドアが開いた。
20代後半の男が入って来た。
「起きたか07号」
「07?」
「お前のことだ。07号?覚えているか?」
「・・・・なにを・・・・?」
「お前、」
男はニンマリと笑い、こう言った。
「お前、人を殺したんだよ」