悪魔の破壊活動。
「助けに行くって・・・あてはあるんですか!?」
「さっきも言っただろ?あのクソヤローの研究所だよ。亜和はそこに連れてかれたんだよ」
「でも、どうやって・・・・・」
真夜はあきれた顔をした。
「お前なぁ。ココに来る前兎雫丸がどこから来たか分かんねーのかよ」
佑太はハっとした。
兎雫丸は元々は研究所にいた。
「兎雫丸、お前アタシの"血の匂い"で亜和を追えるよな。だいたいの方向も元々いた場所だから分かるだろ?」
しかし、兎雫丸は下をうつむいて答えない。
「うー君?」
「兎雫丸?」
「・・・・・・・・・・ヤダ」
「は?」
兎雫丸はぐちゅぐちゅと泣いていた。
すすり泣くとか、大声で泣くとかじゃなく、苦しそうに泣いていた。
「ぼくは・…やだ。いきたくない」
「テメェっ!!!亜和があのヤローに何されても良いのかよ!!!!」
「やだよ!!!!ぼくかまやくんにあいたくない!!!!いやだ!!!」
「ふざけんな!!!お前の気持だけで・・・・」
「真夜さん。うー君はどうしても会いたくない理由があるんだよ。ね?僕等で助けよう。それにうー君の歳でそんな危険なこと・・・」
「危険って!?だってコイツ"死なない"んだぞ!!!だからアタシは・・・」
真夜まで泣いてしまった。
しかし、兎雫丸は泣いていなかった。
いや、感情が無い状態だった。
歯茎がむき出し、瞳の色は汚い深緑。歯が全て鋭くなっていた。
+ + + + + + + + + + +
「あああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあぁあぁあぁぁぁぁあぁぁあ」
「・・・・・・・」
島は炎に包まれていた。
亜和は知らない男の胸倉を掴んでいた。
そして大鎌を構えていた。
「やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめ」
男の首は飛んだ。
逃げる人々。
惨い姿で死んでいる人。
隠れている人。
そして全てを破壊する人。
「・・・・・・・・・」
何も感じれない亜和の心。
人の首を飛ばしても、腕をもいでも、腹を引き裂いても、心臓をもぎ取っても何も感じれなかった。
「大丈夫かなぁ・・・見つかんないよな」
隠れていたその男、この間亜和に半殺しされたリーダー核の男であった。
「なんでアイツが居るんだよ・・・・あの時の復讐か!?!?」
男の能力は言わば透明人間。
透けているおかげで見つかっていない。
「しかし・・・アイツこんなに強いなんて・・・」
男は逃げながら他の島へのコースターに乗った。
『ガタンッ』
「!!」
亜和はコースターの方向に目を向けた。
「ヤベッ!!気づかれた!!」
コースターは発進したが、亜和は常識を超えるスピードで追ってきた。
「ヤバぃ・・・・俺死ぬ・・・・」
そして、亜和はコースターをものすごい力で掴み、コースターを止めた。
(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ・・・・)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
亜和は戻っていった。
(???)
そう。
亜和には男の姿が見えていなかった。
(セェェェェエエエエエエェェェェェフ!!!!!やったやったやったぁ!!)
コースターは自動で動き始め、男は助かった。
+ + + + + + + + + + +
「兎雫丸・・・・・・・お前・・・・・・・・・・」
「あ゛ぁ゛っ」
兎雫丸は真夜に飛びついた。
「なっ!?テメ!!離れろ!!!!!」
「ああああああああぁぁぁぁああぁ」
兎雫丸は躊躇なく真夜の腕に噛み付いた。
「ぁあああぁ!!!!!??!」
「うぅうぅぅ」
そして、兎雫丸は真夜の腕を守千切った。
「あああぁぁぁぁっぁああああぁ!!!!!」
その千切られたところから腐敗が進んでいった。
「!!?!??!?うー君!!!?!」
すぐさま佑太は兎雫丸を真夜から引き離した。
「あああぁっぁあああああぁ!!!」
真夜の腕から黒い血が流れていく。
「ッち!!」
佑太は兎雫丸を片手に持ち、もう片手は真夜の治療に使った。
「どうか・・・・治りますように・・・・」