悪魔の涙。
真夜は頭から血を流して倒れていた。
髪も赤黒く染まっていた。
(このままだと死んじゃいそうだな)
そんなことを思いながら倒れていた。
頭からどんどん血が抜けていき、動けない。
ウィルスに感染しているだけあって、体は丈夫なので意識はある。
しかし、もう意識は無いと言っても正しいくらいでもあった。
(あぁ。アタシこのまま死んじゃうな)
意識はそこで途絶えた。
+ + + + + + + + +
「07号、聞こえるか」
「・・・・・・・・・・・」
「まぁ、返事できるほど精神が安定していないことは分かっているがな」
秋元は笑いながら呟いた。
亜和は手錠をつけられており、檻の中に閉じ込められていた。
亜和の目は虚ろで、見た目は覚醒時のときと変わらない。
「07号、今からある実験をする。それに従え」
「・・・・・・・・・」
返事はしないが、亜和は命令に従った。
「まず。大鎌を出せ」
すると、手から大鎌が出た。
「よし。では、お前にある島を破壊させる。ちなみに、お前の翼で飛べ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
亜和は命令に従った。
研究所の天井が開き、そこから亜和は飛び立った。
亜和の瞳から血が流れていた。
+ + + + + + + + + +
「ま・・・ゃ・・・ゆ・・・た・・・んがち・・・な・・・・てる」
(・・・・なんか聞こえる)
「ま・・・・だ・・・・い・・・・」
(・・・・天国か?地獄か?)
「真夜さん!!!!」
『!!!!』
「あ。良かったぁ目覚ましたぁ」
目の前には佑太と泣いている兎雫丸がいた。
「あああぁぁああんまーちゃんしんじゃったぁぁぁ」
(勝手に死んだことにするな)
真夜は、優しく兎雫丸の頭を撫でた。
「・・・・まーちゃん?生きてるの?」
「勝手に死なすんじゃねーよ」
「わーい!!!いきてたいきてた!!!」
兎雫丸は真夜の体に抱きついた。
「ふおぅっ!!」
やっぱり痛い。
「真夜さん。亜和ちゃんは・・・・」
真夜の目が大きく見開いた。
真夜の頭の中にはしっかり残っていた。
友達に頭を大鎌で斬られたことを。
首が飛ばなかったのが奇跡である。
「真夜さん・・・・?」
「亜和は・・・・・」
「??」
真夜は落ち着いて呼吸し、佑太におおまかな説明した。
「・・・・・。亜和ちゃんが」
「・・・・行くぞ」
「え?」
「亜和を助けに行くぞ」