悪魔の初体験。
この隔離施設に来てからはや2週間。
生活にもだいぶなれ、とても快く過ごしていた。
相変わらず亜和はあまり3人と溶け込めてはいなかったが、真夜とは仲良くなった。
相変わらずといえば兎雫丸はケーキをいつも食べていた。
あの甘い匂いには亜和もだいぶ慣れてきた。
そして今日。
亜和は佑太から驚くことを始めて聞いた。
「え?」
「だから、この施設は他の施設。つまり他の島と繋がっているんですよ」
なんでそんな肝心なこと始めに言わないのかと思った。
「え?じゃぁどうやって行くんですか??」
すると、そこにテレビを見ていた真夜が答えた。
「えっとね、海底トンネルってのがあるんだけど、そこをコースターで行くんだよ」
「はぁ・・・」
「というか」
「はい?」
「ここ2週間散歩とか真夜さんとかしたじゃないですか。真夜さんは説明しないのは分かるけ「あ゛?」
「ゴメン。で、看板とかもあるから普通分かると思うよ。ほんと」
散歩したルートを考えてみると確かに看板があったような気もした。
しかし、正確には憶えていない。
すると、真夜が
「じゃ。今から行く?」
「へ??」
「屁じゃなくて、行くかって聞いてんの。つーか行こうぜ」
「あ。うん」
すると、違う部屋から出てきた兎雫丸が来た。
「ぼくもいくー!」
歩いて3分。
本当にあった。
海底トンネルが。
最初にある階段を下り、コースターが見えた。
「わーいわーいジェットコースターぁ」
兎雫丸は走りまわっていた。
「じゃぁ乗れ」
「はーい」
元気よく返事をする兎雫丸。
まるで、遊園地で喜ぶ子供だ。
遊園地。
最後に家族と約束した大切な思い出。
お父さん。
お母さん。
お兄ちゃん。
優香。(妹)
「亜和?おい亜和?」
「あ。ご、ゴメン今乗るね」
そして、初めてコースターに乗った。