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仕事の才能に嫉妬されて婚約破棄を告げられた元最強バリキャリは、異世界でも『本気のマーケティング』を始めます  作者: フーラー
第4章

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4-1 双子の魔導士姉妹=美少女と誰が決めた?

そして、出兵の当日になった。



(な、なに、これは……)



今回行うのは、戦えない私がいうのも何だが、所詮小規模な反乱軍……いや、規模から察するに反乱分子と呼ぶべきか……を撃破するだけのありふれた仕事に過ぎない。


だが、そこには国の兵士たちが大勢……といっても、数千人程度だが……が、王宮内の中央広場に集まっており、そこの先頭に立つように私は指示された。



そして、陛下が手を上げると、大きな声が会場中に響き渡る。


「これより、盗賊討伐大会をはじめる!」

「わあああああ!」

「我が国の軍を抜け、時代に抗おうとする者たちに神の裁きを!」

「そうだ!」

「ぶっ潰せ!」

「あのクソ姉妹をぶっ飛ばしてやれ!」



そんな風に盛り上がる兵士たちを見ながら、私はベルトランに尋ねた。



「あ、あの……なんでこんなに大規模な大会になっているんですか?」



ベルトランも少し困惑した様子で答える。



「ああ。……まあ、理由はいくつかある。まず一つは、今回の討伐の結果によって、正式な軍の新鎧を決めることになることだ」

「けど、それなら軍の上層部だけが集まれば良いですよね?」

「そうだな。そして二つ目は、反乱軍への不満だな」

「あれ、彼らは元々は仲間ですよね?」


そう尋ねたが、ベルトランはあまりいい顔をしなかった。



「確かにな……だが、まあ……実は彼らは軍制改革にかこつけて解雇した、いわゆる『はみ出し者』だったんだ」



その表情から分かる。

彼らは実際には『嫌われ者』だったのだろう。


正直、ライラとレイラは、戦場でこそ働きは優れていたが、魔導士という立場に胡坐をかいて、精神論を押し付けながら兵士に強く当たっていたとのことだ。


(せめて、あの二人が美少女だったら、多少の横暴を周囲も許してくれたのかもしれないけど……)



また『双子の姉妹』というと何となく美少女をイメージするが、ライラとレイラは40をとうに超えている。



そんな彼女たちがある種の『老害』ムーブをしていたのだとしたら、こんな態度も理解が出来る。



「そして一番の理由は……やはり、ガス抜きだな」

「ガス抜き、ですか……」



まあ、実際にはそれは理解できる。

ここ最近、小規模な小競り合いすらないような平和な日々が続いていた。

そのおかげもあり、城内でくすぶっている兵士たちにはある種の娯楽が不足していた。


……そもそも、これだけの兵士が広場に集まっている時点で、彼らがどれだけ暇を持て余しているのかは理解できる。


そのような理由で、今回これほど大規模な大会になったのだろう。



「……今回の出兵には王子も参加するのですか?」

「ああ。……サラ殿の作った鎧を試してみるのは私の仕事だからな」



私は転移した時点で戦争が終結していたこともあり、兵士の武器のような直接命のやり取りに用いるような装具を扱ったことはなかった。


そのため、傷の回復に用いるような薬品を使う人のことも、どこか他人事のように感じていた。



(けど……。そうよね、私が作った商品を使う人は……命があるし、血も流す。そんなことも考えていなかったわね……)



そう思いながら、私は王子と配下の兵士たちの姿を見る。

……大丈夫だ、兵装には傷一つない。



「ええ……。お気をつけて、ベルトラン」

「ああ、言ってくる」



そういって、私はベルトランを見送った。



(あっちも、もう出るころか……)



見ると、ピカピカの兵装に身を包んだ、テイラーたちの軍も準備を始めていた。


なるほど、腕と足をがっちりかばった、軽くて小回りの効く服装。

首元は通気性を確保するために板金鎧を外して代わりに布製の防刃性の高いマフラー。

そして弓矢による攻撃を防ぐための大きくて頑丈な盾。



兵士たちの表情も、新しい装備を試したくて貯まらないような印象だ。

ある意味では「顧客満足度」を第一に考えたような服装だが、あの格好には致命的な問題がある。


私も一度伝えようと思ったが、マルシアは取り付く島もなかった。



(あれ、テイラーも一緒に出るのね……)



私が隣を見ると、テイラーとマルシアが肩を並べて出兵する様子が見られた。

二人が仲よさそうにしているのを見ても、私は何の感慨もわかなかった。



(……はあ……ま、お似合いのカップルなのかもね)



そんな風に思いながら、その様子を見ていた。

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