第76話
「戦闘が始まった時のために矢が打てるように準備しておけよ」
と、フレッドは兵達に命令する傍ら自分たちが進んでいく場所の場所を確認する。
「よし、もうすぐ到着だ。奇襲に気を付けておけよ」
その時、城の方向から喚声が上がった。
「戦闘が始まったのか。みんな気を引き締めろよ」
フレッドがその声を上げたと同時に前方から、敵が出てきて戦闘が始まった。
カイザーやフレッドは的確に兵へ命令を繰り出していく。そのおかげか、敵を素早く撃退したのである。
「敵を深追いするな。わざと敵が退却して引き寄せてるのかもしれないしな」
そう言い、捕えられていた敵兵を連れて来させた。
敵の姿を一人一人確認していく。その時見覚えがある顔を見かけたのである。もしやと思い、見覚えのある敵兵を奥に連れて行かせた。フレッドもその後を追いかける。
「カイザー、ここの兵士の応対は任せた。ちょっと用事があるから奥に行く」
そういって、先程の兵士に会いに行った。
その見覚えのある兵士とは――
「マイクじゃないか? 君はマイクじゃないのか?」
その声に反応したのか縄で縛られている敵兵は振り返った。しかし、フレッドに見覚えがないのか顔をまた戻した。
「どうして俺だけ奥に連れて行かなきゃいけないんだ?」
兵士はフレッドに聞いた。
「もう一度聞く。ナルの村にいたマイクじゃないのか?」
それを聞き、敵兵は再び振り返った。
「何故それを知っているんだ?」
「それは……」
少しの沈黙の後、声を続けた。
「俺がフレッドだからだよ」




