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第51話
「フレッド大変よ」
息を切らしながらミツバが走ってきた。
「どうした。何があった?」
「カイザーの部隊が伏兵に囲まれてたわ」
「なに、それは本当か?」
「ええ、カイザーに出発することを伝えて戻ろうとしたときだったわ」
フレッドは、クロフォードの方向を向く
「クロフォード、伏兵がいたじゃないか」
その時クロフォードの口から驚くべき言葉を耳にした。
「そりゃそうだろうな、俺が置いとけって命令したんだから」
「はい? クロフォード殿、もう一度言ってもらえませんか?」
フレッドは聞き間違いだろうと思い、もう一度聞きなおしてみる。しかし、返ってきた言葉は
「俺が兵を置けと命令したから当たり前だと言ったんだ」
さきほどと同じ内容だった。
「何でそんなことをするんだ」
フレッドは叫ぶ。
「何故かってか……それはな――
フレッドは唾を飲み込んだ。
――俺がバルカン軍の将だからだ」




