第5話
フレッド達も逃げようと坂道に向かうが、降りようとした時、坂の下にバルカン軍が来ていた。バルカン軍に見つかったら殺される。と思ったフレッドは母と一緒に近くの民家に逃げる。バルカン兵の気配が消えたので、母はバルカン軍が来てないか確かめに行った。
しかし、少し経っても母は帰ってこなかった。その代わりに聞こえるのは、剣のぶつかる音。フレッドはその音が止むまでの時間がとてもとても長く感じた。
数分後、剣の音も止み、外に出ると無数の死体が転がっていた。母がいないように祈りながら死体を見渡す。しかしその中には、母の亡骸も混ざっていた。その光景を見たフレッドは、母の前に座り泣いた。周りの状況も気にせずに……しかし、泣いている途中で、後ろから生暖かいものがかかってきた。後ろを振り向くと、父の姿があった。しかし、肩には剣で斬られた跡があった。父の目の前には、力尽きて倒れているバルカン兵の姿があった。
「フレッド、大丈夫だったか」
父は振り返り力強く言う。
「うん……で、でも……母さんが……母さんが……」
フレッドは母のなきがらの方向に指を指す。父は母に近づき、そっと持ち上げる。
「フレッド、1回ナルに帰るぞ。ここにいるバルカン兵はあらかた片付いたし、こいつの墓も作ってやらないといけないしな」
そして、フレッド達はナルに戻れたのだが、その時受けた傷が元で数週間後なくなったのである。
そんなことを思い出していると、後ろから槍のようなもので突かれる感覚がした。なので、後ろを振り返ってみたら、バルカン兵20人ほどと将2人に囲まれていた。そのうち背の大きい将が叫ぶ。
「貴様、ここで何をしている。ここは神聖なる神殿の入り口だぞ」
強く足を踏み出してくる。フレッドは、数瞬驚いたが、理由を言う。
「パレードを見たいんですが、下は混んでて見にくかったんです。なので、ここから見ていました」
そう言うと、後ろにいる将が叫ぶ。
「そういう理由にして、この神殿に忍び込むつもりだったんだろ」
そう言い、前に出てくる。
「い、いや……そんな、り、理由……じゃありません」
「なぜ、今声が小さくな……」
大きい将に――おい、リクそこまでにしとけよ――と、止められた。しかし、不満があったのかしぶしぶ止める。
「すまなかったな、こちらのリクが脅しまがいのことをして……」
遠くから俺は脅しなんてしていないという声が聞こえる。
「あいつの事はほっといていいからな。私はバルカン騎士団長シード、そしてあいつが副団長のリクだ」
「シードさんお騒がせしてすみませんでした」
フレッドは、頭を下げる。ふと、頭を下げるときに横を見ると、ミツバも頭を下げていた。
「いやそんなことはしなくていいよ。それと、今日のパレードまでならここにいていいぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
「いやこちらもリクがやらかしたからな、そのお詫びだと思ってくれ」
そういうと、シード達は戻っていった。フレッドは、シードに一礼し、パレードを見る。




