第30話
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「そういえば自己紹介がまだでしたね。私はカイザー、このロザルトを仕切っているわが父レグラの息子です」
「それで今からどこへ行くんですか?」
「わが父のところですよ。そこで、フレッドさんたちを交えてバルカン兵の処遇について話し合うんですよ。それと父のところに行くときは兵士は外で待機させといてください。いろいろとうるさいので」
今の言葉に腹を立てたのか、ジャックがカイザーに詰め寄る。
「ちょっと待て、うるさいって誰のことだ。俺たちのことじゃねえだろうな」
カイザーはジャックの方向に向き直り謝る。
「すいません、誤解するようなしゃべり方をしてしまって」
「そうか、で……うるさいやつは誰なんだ?」
「私の父です。私の父は5年前にあった戦争で功績を挙げこのロザルトのちをジャン様からいただいたのです。しかし、その2ヵ月後悲劇は起こったのです」
皆が唾を飲む。カイザーは一呼吸入れて話し出した。
「父がロザルトからリオーネに向かう途中で黒ずくめの奴に襲われたんだ。そいつは一撃を与えただけで去っていったんだ。俺はそいつを追いかけ捕まえた。そしてそいつの顔を見て父は驚いた。そいつは、戦争のときに援軍で来たグランの兵士の1人だった。父はかすり傷程度で済んだが、一歩間違えれば死んでいたかもしれない。そして、自分直属の兵士しか信用しなくなったということだ。だから、他の軍や同じ軍であっても信頼できる人の兵しか合いたくないらしいんだ」
「………………」
沈黙という重い空気が流れる。それを破ったのはジャックだった。
ソロモンにいろいろなことがありました。
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