第29話
30分後、ロザルトの方向から音がしたので見てみるとロザルトから火の手が上がっていた。
「どうしたんだ。ロザルトはまだ1000の兵が残っていただろ。それなのになんでバルカン軍に攻め落とされているんだ? 誰か、ちょっとロザルトの様子を見てきてくれ」
その時ミツバが戻ってきた。
「フレッド心配しないで、あれはバルカン軍をおびき寄せるための作戦だから」
「それでも、ロザルトの住民の人はどうするんだよ」
「さっき、フレッド達が戦っている間に住人たちを裏から逃がしておいたからバルカン軍が突入しても大丈夫だよ」
「いや、そういうことじゃない、何を燃やしているんだ。もし、住人の村を燃やしてれば、ロザルトを守っても意味がないだろ」
「だから、藁を燃やしてるんだ。ジャンさんもそんな事言ってたよ」
フレッドはほっと胸をなでおろす。
「でも、何でおびき寄せるんだ? 普通にやっても勝てるだろ」
「いや、入り口に落とし穴を仕掛けてあって、敵を生け捕るように作られてるんだよ」
「そうかそれで成果は?」
「分から――」
ない、とまで言えなかった。なぜかというと、ロザルトから歓声が聞こえたからであった。
「何だ、なにが起こってるんだ?」
フレッドは急いで兵を率いてロザルトへと向かった。
ロザルトに着くと、バルカン兵が縛られ正座をしていた。そして、バルカン兵の前には赤髪の将らしき人物が立っていた。
「誰だ貴様は? ここはロザルト、セパイアの土地だぞ」
赤髪の将は、後ろにいたミツバを見て、態度を変えた。
「これは失礼しました。フレッド殿ですね。先ほど、ミツバさんから話は聞いております。さあ、どうぞ中へ入ってください」
赤紙の将が手招きをする。
「分かりました。今からそちらへ向かいます」
フレッドはそう言い、バルカン兵の間を抜け赤髪の将の元へと向かった。




