第2話
「マイク、どうやら僕の勝ちのようだね」
「ああ俺の負けだ……しかし、何が起こったんだ?」
「あれにつまずいたんだよ。しかしマイクがミスをするとは思ってなかったな」
フレッドは、マイクがつまずいた正体にむかって指を指す。
「あれって……俺は小石になんてつまずかないし、つまずくほどの大きな石は見てないぜ」
マイクは振り返る。すると自分が転んだ理由に納得がいった。フレッドが開けた穴にマイクの足が引っかかっていたのである。
「今日はフレッドの勝ちか……これでフレッドの327勝324敗で3つの勝ち越しか……もう少しで追いつけると思ったんだけどな、あと3勝が追いつけねえ」
「だけどこのごろマイクはすごいよ。だって12連勝とか何回もしてるじゃん」
「それはそうだけど、最終的には全体の結果なんだから一時的の結果云々じゃないんだよ」
フレッドはうなずいていると、マイクが別の話題を出してきたので、その話題に乗る。数分間話したあとにマイクは何かを思い出したように手を叩く。
「フレッド、そういえば村長さんがお前のことを呼んでたぞ。なんか用があるらしいぜ」
「何でそんな大切なことを先に言わないんだ」
「いや……だってそのことをフレッドに言ったら戦いをしなかったじゃん。村長さんにもいつでもいいって言われてたしね」
「とは言ってもねー……まあいいかマイク伝えてくれてありがとな」
フレッドは颯爽と坂を駆け下り村長の家に向かった。
村長の家に着くのに数分も掛からなかった。先ほどの戦いの疲れの影響もあり、足は棒のようになっていた。少しの間、呼吸を整えてノックをして中に入る。
「おお、フレッドかよく来たな。最近は元気でやっとるかの」
中から出てきたのは紫色の服を着ている村長だった。フレッドはまあねと軽く答え村長に近ずく。
「じいさんよ、僕に何か用があるんでしょ。用があるなら早く言ってよ」
「用じゃと、はて何のことやら……」
フレッドは強く一歩前に出る。
「マイクに用があるって僕を呼ばせたんじゃないか。……もしかしてじいさんボケたのか?」
フレッドは、村長が怒るのかと思っていた。しかし、顔を見ると苦笑いをしているようだった。
「悪いなフレッド、ちょっとばかしからかっていただけじゃ」
「なんだ……心配したじゃないですか、で用とは何ですか」
「うむ、それはの、カルトという村に行って武器を貰ってきて欲しいのじゃが、やってくれるかの」
「分かったよ。で、いつ出発すればいいんだ?」
「明朝に出発すれば4日後ぐらいには着くだろう」
「分かった。でだ、ミツバはどうするんだ?」
ミツバとはフレッドの幼馴染である。いつもフレッドがどこかに出かけるたびに着いてくるのである。
「今回はバルカンの領地を通るからフレッド、お前さんの意志で決めるのじゃぞ」
「分かってるさそんなこと」
フレッドは腕を組んで考え込む。2分……3分……長い時間沈黙が続く。沈黙を破ったのは村長だった。
「まあ、今答えが出せるもんじゃないからの。明日の朝にまでに答えを出してくれよ。頼んだぞ」
「分かったよ。明日までには答えを出しとくよ」




