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第16話

 バルカン兵との距離が30歩を切ったときフレッドは行動を開始した。フレッドは一瞬のうちに間合いを詰める。バルカン兵は一瞬怯んだが、すぐさま剣を取り出す。しかし、フレッドは怯んだ一瞬の隙を見逃さなかった。バルカン兵に向けて剣を払う。バルカン兵は口から血を吐きながら断末魔を叫び倒れた。

「よし、後は出口に行くまで、もう一息だ」

 しかし、ここで1つ誤算が生じた。先ほど殺したバルカン兵の叫び声によりバルカン兵が集まってきたことだ。そのためフレッドは隠れざるを得なかったのである。

「まずいな……このままだと見つかるのも時間の問題だな」

 フレッドはつぶやきながら周りの状況を確認する。まだバルカン兵10人ほどが警戒に当たっていた。フレッドはバルカン兵の目を盗みながら一歩一歩着々と前進する。

 そして最大の難関の場所に到着した。隠れている場所から村の出口までは40歩程しかないが出口までの道のりは拓けていて、見通しが良いためにバルカン兵にすぐ見つかってしまう。だが幸いなことに先ほど起こった事件のおかげで出口にいる兵士は4人に減っていた。

(このまま進めば絶対に見つかる……しかし、1人ずつ殺していったとしてもさっきみたいに悲鳴を上げられバルカン兵が集まってしまう……どうしたらいいんだ)

 考えていると、フレッドの左側から悲鳴が聞こえた。その方向を見るとミツバ、レクシオン、シーザーの三人が一緒に行動をしているのが見えた。フレッドは、三人の方向に向かう。すると、ミツバ達もこっちに気付き合流する。

「みんな、なんで一緒に行動してるんですか……僕だけですか1人で行動してたのは……」

「そうじゃねえんだよ。さっき悲鳴があったろ、その時バルカン兵に化けていたミツバと出会ったんだよ。それとシーザーとは……」

 レクシオンは言葉を止め、剣を抜き振り下ろす。その瞬間、目の前に赤い液体が飛び散りドサッという何かが落ちたような音がした。フレッドは音がした方向を見た。そこには、胴を切り口に真っ二つになっているバルカン兵の骸があった。

「だらだらと話している暇はない。このままだとどんどんバルカン兵が来る、早く脱出するぞ」

 レクシオンは走って村の出口に向かう。フレッドもその後を追った。しかし、バルカンの弓兵が息もつかず矢を打つ。しかし走りながら撃っているのと遠くから撃っているのでフレッドのところまで届かない。村の出口を出てもしつこく追ってくる。しかし、1人、また1人と追うのを諦めたらしくフレッドは追手、矢が来ないことを確認して声を上げた。

「レクシオンさん、もう追手は来てませんよ。ちょっとだけ休憩させてください」

 レクシオンは立ち止まり後ろ向きになって辺りを見回す。十分に確かめたらしくレクシオンが言う。

「追ってはこないようだな。よし、みんなここで少し休憩するぞ。出発は30分後ほど、それまでには出発ができるように支度を整えとけ、それとバルカン兵と出会ってもすぐ逃げること」

 レクシオンは、フレッド、ミツバ、シーザーを見回しながら言う。3人は小さく頷くと腰を下ろした。

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