第15話
次の日、フレッドはミツバ達とナルに向かった。途中でナルにいた村人と5人ほどと出会った。それを見てフレッドはマイクは生きているかもしれないと少し安心した。しかし話を聞くとマイクはカーンと共にナルを守るためにバルカン兵に立ち向かって行ったらしい。それを聞いて一瞬焦ったが、昨日のレクシオンの言葉を思い出し、気持ちを落ち着かせる。
そして2日後、フレッド達はナルに到着したのである。そこで見た光景は悲惨であった。家は何も無い野原のように焼きつくされ、村長の家があった前の広場には、数え切れないほどの亡骸が山のように積まれているのである。フレッドとミツバはその光景を見て唖然とする。その時、後ろからガサッと言う音が鳴った。
(なんだ……敵襲か? しかし、敵襲なら声を上げて援軍を知らせるはず……)
そう思って振り返ってみた。ガサッという音の正体はミツバが驚き後退したときに踏んだ木の葉であった。敵じゃなくて良かったと安心する。しかし、その音の所為でバルカン軍がわんさかと集まってくるのであった。
「どうするのフレッド?」
ミツバはフレッドに聞く。フレッドはどうするか聞こうとレクシオンの方向を向く。すると、レクシオンは奥のほうにいてこっちに向かって手招きをしている。フレッド達はバルカン兵にばれない様に静かにかつ速くレクシオンのところへと移動した。ばれないところに移動したすぐ後、将らしき人物が号令を掛けたのが聞こえた。
(レクシオンのところに行くのが数瞬でも遅れていたら……)
そう考えると身震いがしてきた。しかしレクシオンはバルカン兵にばれないように横から後ろへと回り、村を通って向こう側行くという行動に移っていた。
フレッド達も静かにその後を追う。バルカン兵に見つからないようにフレッド達は村の中に入る。すると80人ほどのバルカン兵がナルにいる。これを見てシーザーがつぶやく。
「このままこの4人で行動するとバルカン兵に見つかって援軍を呼ばれる。だから、ここは1人1人バラバラに行動をして村の出口を目指すのが一番得策だと思う」
フレッド達はシーザーの言葉を聞き入ればらばらになって村の出口へ向かうことにした。
そして、10分後フレッドは村の中心部まで進んだ。その時、後ろから声が聞こえた。
「うん、何だあれは……この部隊と服が違うな……バルカンから来た新手の援軍か……だけど援軍なんて来ないって言ってたな……一応調べてみるか」
振り返るとバルカン兵1人がフレッドたちのほうに向かって来たのである。隠れようとするがすぐに隠れられる場所がない。フレッドは隠れる場所を探すため周りを見回す。
(一番近くにある場所でも30歩、しかも村の中心にいる兵士や将からまる見えの状態になり、バルカン兵が集まってしまう。このままではバルカン兵に居場所がばれ捕まってしまう。)
しかしフレッドにはこのピンチを抜ける策が思い浮かばない。あれこれ考えているうちにどんどん近づいてきていて、今はバルカン兵はフレッドから50歩ほどの場所に立っていた。




