リュウジュの心臓
ここは、リュウジュの心臓。白銀の巨龍は時の勇者に討伐され、封印された。巨竜伝説も御伽噺として風化した頃、人々はリュウジュの心臓が持つ龍脈エネルギーに関心を寄せ、心臓の上で定住を行った。リュウジュは次第に生命力を取り戻し、その地で生まれる人々はリュウジュの生命力にあやかることができた。リュウジュの民は鼓腹撃壌の如く、幸福な生を送ることができた。そんなリュウジュの末端に一人、龍脈を持たない少女が一人。その名はソウナギ。背が小さく、目つきの悪い、白銀の少女。リュウジュの心臓に適合することない、弱く、脆い、異邦の身体。そんな彼女はしがない文士であるウミヒコの家に居候させてもらいながら、つつましく生活を送っていた。
しかし、ひょんなことから一人で心臓の中心部へとウミヒコの書いた小説を届けなければならなくなった。
今、白銀の少女の一人旅が始まる――
しかし、ひょんなことから一人で心臓の中心部へとウミヒコの書いた小説を届けなければならなくなった。
今、白銀の少女の一人旅が始まる――