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(^ε^)-☆Chu!!=魔法種募集中!!♡  作者: しろかえで
14/18

鈴女のおせっかい

「いらっしゃい …えっ?!」


ぬぼっと顔を出した雷電池 新(かんだち あらた)に鈴女はちょっと戸惑ったようだ。


「あの…えっと…」


「スペシャル鮭弁当」


「えっ?! あ、はい…」


奥から綾女が声を掛ける

「あ! (あらた)くん おはようございます。いつもの…ね。タルタルソース多めで…」


「はい!お願いします」


()()()()から少し解放された鈴女は照れ隠しに奥へ声を掛ける。

「スペシャル鮭弁当、お願いします」


「はいはい、鈴女! そろそろ時間でしょ? ありがとう! 上がって用意なさい…今日も暑いみたいよ」


「今日はブレザー無しでベスト着て行きま~す」と鈴女は2階へ上がって行く。


それを目で追った綾女は出来上がったお弁当と共にカウンターに顔をのぞかせた。


「お待たせしました。 ねっ?! 鈴女を助けてくれた“イケメンのクラスメート”って新くんでしょ?」


綾女からこんな風に言われて

「ん、たぶん そう かな…」

と新は返す。


「ふふ、やっぱり! 実はね、新くんに…鈴女の事をお願いする前に…珠子センセイに反則っぽいお願いしてたのよ」


「珠子センセイってひょっとして…」


「そう、学園長先生の事よ。私が高校生の時…私の担任をしてくださっていたの…私達の故郷の高校…鈴女も通っていたあすなろの郷高校で…それでね、『鈴女を私の知っている“とってもいい子”と同じクラスにしてあげてくださいって』!」


「えっ?! いい子って、オレの事ですか?!」


「ふふ、ごめんなさいね。『子』は無いよね。もう高校生ですものね。 でも…『いい人』って言うのも…オバサンの“イイ人”みたいに聞こえてしまって、申し訳ないでしょ?」


「綾姉さまはオバサンじゃないよ」リュックを背負ってトントン降りて来た鈴女が不満げな声で叫ぶ。

「ねっ?! カンダチくん!」


「もちろんですっ!!!」と新


「はいはいありがとうございます」と綾女は笑いながらお礼を言って

「…こちら500円のお釣りです。いつもお買い求めいただきありがとうございます。それから…姪の…鈴女の事も、どうかよろしくお願いします」

と今度は丁寧に頭を下げた。



--------------------------------------------------------------------


「ねっ!ねっ! カンダチくんってさ!」


新と横並びになれるよう少し足早に歩きながらも顔は『プッ!ククク』の鈴女は…声を掛ける。

「ひょっとして綾姉さまの事、気になる?」


「な、なんだよ。急に…」


「だってさ、クラスの女子への“当たり”とは天地!!、酢亀(スガメ)なんだもん」


「そのスガメってなんだよ?タガメのこと??」


「あははは、私の故郷には居るよ、タガメ! がっつりとカエル捕まえているのを見たことがある。日本じゃ絶滅危惧種らしいけど東南アジアじゃ食用で…なんでも胸のあたりから洋ナシの香りがするんだって」


「マジかよ」


「どうだろうね…私もニオイは嗅いだこと無いから…じゃなくて!! スガメだよスガメ!!」


「スガメ?? それは食べれるの?」


「うん、食べれるよ! スッポンだもん。お酢で食べるんでしょ?」


「いや! それ違うと思う…食べたことないけど…」


「え~!! だって()()()()()言ってたもん」


「それ担がれたんだよ…ちょっと待ってな。検索するから…」


二人してうっかり“スッポンのさばき方の動画”を見てしまい鈴女は涙目になった。


「女の子…いじめた!! 酷いヤツだ!!」


「人聞きの悪い事言うなよ…そもそも、その“あーちゃん”が『月とスッポン』がらみで出鱈目言ったんだろ?」


「あーっ女の子に罪被せた!! やっぱり酷いヤツだ! 綾姉さまに言いつけてやる!!」


「おい!!ちょっと!」


「それは困る??」


鈴女は、もう()()()()()をちらっとあげて無言の新を探る。


「やっぱり!! 困るんだ!」


プククク笑いを爆発させた鈴女に新は憮然とする。


「別に…んな事は、無いって!」


「ダメダメ!鈴女は聡い(さとい)子なんだからさ、分かっちゃうの! 綾姉さまは…今は傷心なの! カンダチくん知ってる?」


「うっ、うん…」


「それなら話が早い! キミは若いツバメとなって綾姉さまの心の支えになるのだ!! ああイケメンの愛人(アマン)かあ~ロマンだわ…」


新は赤らめた顔がバレないようにと無駄な抵抗を試みる

「なにそれ!意味わかんねえ! キミはいったい何時代のひと??」


「失礼ね!“令和”のJKに向かってその言い方は…(じゅう)…」

と言い掛けて奇跡の魔女でしかもJKの“センパイ”の事が頭に浮かんで鈴女は

「あっ!」と口を押えた。


「カンダチくん。急ご! ()()()()()()()()は後回し!遅刻する!」


テテテと走り出す鈴女を見て、新は『私と同じふわさらの髪』と言った綾女の言葉を思い出す。


『綾女さんも…あんなふうな女の子だったのかなあ』


鈴女の事をつい見とれてしまった新に、鈴女は振り返る。


「カンダチくん! マジ、ヤバいよ!」


「おう!」と返事を返しながら新はそのストライドで鈴女に忽ち(たちまち)追い付いた。



--------------------------------------------------------------------


「ねえ、カンダチくん。私、今日は大丈夫だからね。ほら、この通りリュック、前抱っこしたし、電車乗ったら反対側のドアまで泳いで行くから!! ただね! その時、この()()()()()()()()の厚みが邪魔になるのかなって… あれっ?! 今、ひょっとして…あんまり“厚み”ないとか“セクハラ的”なこと考えてるんじゃないよね!!」


「ねえよ」


「不埒なこと考えてると“ミッションアマン”は無しだからね!! あっ!それから放課後は香狩(かがり)センパイと約束があるから…いつ打ち合わせするか考えとくね…」


リュック前抱っこでどしどしとホームに降りて行く鈴女を見ながら『かなりの暴走女だな』と独り言ちながらも


『綾女さん、こんなところまでは似てないよな…』と考えてしまう新だった。





。。。。。




イラストです。



中学時代の新くん。詰襟の前、かなり()()()()ますが…女子が“肉弾戦”を仕掛けるほどイケメンに描けたかしら…(^^;)




挿絵(By みてみん)



バタバタと読みづらくスミマセン


勉強不足です(^^;)



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