表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(^ε^)-☆Chu!!=魔法種募集中!!♡  作者: しろかえで
13/18

オトコの子の慕情

ちょっと前まで“雷電池 新(かんだち あらた)”は奢っていた。


Jリーグの「U-15」チームに在籍して、そこそこの戦果も挙げていたし“天は二物を与え()”の彼は、綺麗な顔立ちだった。


もう小学生の…お互いの()()を意識する頃からの…彼は、いつも複数の女子から熱い視線を集めていた。


ファーストキスはいきなり奪われたけど、あとは逆に…少年らしい?意地みたいな負けん気みたいな(さが)で、彼曰く『青田刈り』に終始していた。


中学生ともなると…3回か4回目のキスで、女子の細い指で学シャツのボタンを外され、ブラトップではないレースの生地を剝き出しになった胸に押し付けられて…その柔らかい“熱力(あつりょく)”に()()()()()()が生えたりもした。


でも彼はJリーガーになる気マンマンだったので…『“つまらない事”で躓いてたまるか!』とバカみたいなヤセ我慢を繰り返していた。


そんな順風満帆の彼の人生は…1枚のレッドカードとそれに伴う前十字靭帯断裂によってあっけなく崩れ去った。


完全断裂した彼の前十字靭帯は、再建手術をしたものの、プロを目指す彼を()()()()()()に引き下げた。


「元々はダチに誘われて始めたサッカー…本当に好きだったかどうかも、もう分からない」と松葉杖を立て掛けた机に頬杖を突く彼は、()()をこよなく愛する女子達の絶好のエサになったし…そんな風に集まる誘蛾灯女子達を…彼もまた、()()にした。


そんな時、


「カンダチ?? あんなの、商品価値ゼロじゃん!」

と言い放たれた。

あの『京橋小町』に


彼もうっすらとは知っていたが、小町は未就学児の頃、一世を風靡した子役だった。その後、メディアではパッタリとその姿を見る事は無くなったが、今話題のアイドルグループに補欠合格してからわずか2年で人気メンバーの一人となり、高校受験を間近に迎える頃には、センターを狙う立ち位置になっていた。


毎日は学校へ来られない彼女の周りにはグラスメイトがこぞって集まっていたが、

そんな中での彼女の“発言”は良くも悪くも破壊力が半端なかった。


彼に、もっとも()()()を仕掛けていた()()()()女子が真っ先にその手のひらを返し、彼ともう一人のクラスメート以外のすべての机の()()()()()()()が白から黒へ変わった。


そのもう一人のクラスメートである小町自身が、どこで聞いたのか彼のL●NEに申請を入れて来て…つながった最初のメッセが謝りの文章だった。


『無神経な発言をして本当にゴメンナサイ。でもカンダチ君の行為はやはりおかしいと思う。ジャンルは違っていても、同じくトップを目指す者として、君の事は尊敬していたのに、メガ残念です』


(あらた)は、思わずスマホを床に叩き付けそうになったが…歯を食いしばった。


しかしそれ以降、彼は空虚の沼に佇んだ。


そんな時だった。もう給食の(彼の中学は給食があった)他に追加で食べる必要が無く、立ち寄らなくなったお弁当屋の(ひと)と商店街でバッタリ出会ってしまったのだ。


最初、声を掛けられても分からなかった。彼女は、あの()()()()()長い髪をバッサリと切ってしまっていたから…


「最近は給食だけで足りてるの?」と聞かれて

本当の事は言えずに

「あ、オレ、もう高校生なので、給食無いです」と変な答えをしてしまった。



「そっか、電車に乗ったりすると…ウチのお弁当は持ち辛いのかな…近頃は袋も有料にしなきゃいけないし…お弁当用のエコバックを仕入れて安く提供しようかな…販売じゃなくポイント貯めて無料で差し上げるとかじゃなきゃダメかなあ」なんて真剣に悩み始めたので、(あらた)は何だか申し訳なくなって(サッカー現役時代は単品のコロッケをおまけで付けてもらったりしていたし)正直に事情を話した。


そしたら彼女の目から、ツーっと涙が流れて…


「オバサン、バカみたいね。お辛いのはあなたなのに…」


そう言いながら涙を抑えた彼女の左手の薬指には…朝一でお弁当を買いに行っていた当時、決まって長い髪をお団子にしながら朝の挨拶を交わしてくれた時に光っていた指輪…が無かった。


「あの、お姉さんこそ…何かあったんですか? 髪、短くなったし…その、左手の…」


言われてさっと左手を隠して、なのに、尚更ブワッ!と涙を溢れさせながら

「オバサン、ホント、ダメダメなのよ。こんなんだからお別れされちゃうの。ホントバカ! 髪まで切っちゃうなんて…あきれ返るでしょ?」

こんなことを言う綾女(あやめ)に…


新はいつしか慕情を感じていた。


「この年上だけど…とても可愛いお姉さんの力になりたい」と



「エコバック、サービスするから…またお店に来て」

綾女からそう誘われて、また週二くらいで通い始めた矢先に


「今度、新君が通ってる沙霧学園にウチの姪が転校する事になったの。 姪っ子、お店のお手伝いもするから仲良くしてあげて」とお願いされた。


「どんな子?」って聞くと


「そうね。私と同じふわさらの髪をしてる」と聞かされ


券売機や自動改札機の前で四苦八苦している鈴女を見つけ出して助け舟を出し、電車から転げ落ちそうになったカノジョを抱き留めた新だった。






。。。。。。



イラストです。


残念ながら雷電池 新くんはまだキャラが固まってなくて…(モデルを思いついたくらい(^^;))で描けていません。

代わりに最近描いてなかった鈴女ちゃんをUPいたします。



挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ