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(^ε^)-☆Chu!!=魔法種募集中!!♡  作者: しろかえで
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ドキドキの初登校 ⑦

軽いため息とともにスマホをスクロールしていた香狩は、ふと親指を止めた。


手慣れた片手扱いで、なにかメッセを入れようとしたカノジョだったが

「ふむ」といった感じで一考すると、電話のアイコンをタップしアドレスを辿って『西嶋瞬』の行を親指で撫でてスマホを耳に当てた。


「もしもし私! 今、スケジュール見ていたんだけど…明日の14時からのコルト社での商談に私の名前が入っているのは、あなたの差し金?」


『ええ』と答える通話の声は男だ。


「コルト社はあなたにお任せしているのだから、社長であるあなたの裁量でやればいいでしょう。例え相手がジェントス商会でも」


『ジェントス様が会長の出席を希望されているのです』


「私は明日も学校に行きたいのよ」


『それは…“槻水(つきみ)の姫”がらみですか?』


「ええ、さっき会えたわ…とってもいい子。だからなるだけカノジョに時間をとってあげたいの」


『ではZ●●mをお使いになるのはいかかでしょう? 背景とお召し物はアプリで加工できますから』


「ジェントスさんだったら…このままのJKの恰好のほうがいいんじゃない?」


『そういった趣向でしたら水着の方がよろしいかと思いますが…』


「アハハ!言うねえ~!」


『はい、私も“男”ですから』


「そうだね、ホントに…あなたはいい男になったよ。」


『すべて…そう、あらゆる意味合いで、笙悟陰様のおかげです』


「そんな悲しい言い方は…しないで。私が巡り合った男の中では…今でもあなたが一番なのだから」


『それならば、尚更! 私はいついかなる時でも笙悟陰様の為に命を賭します!賭させて下さい!』


「いいえ、あなたの命は、私の為にではなく、巡り合うべく定められた人の為にこそ、賭すのです」


『そんな人は…私には、笙悟陰様以外、考えられません。例え笙悟陰様が()()()ビジョンをご覧鳴られたとしても、私にはそれを受け入れる事ができません』


その言葉に香狩は遠い目で応える。


「そう遠くない未来に…あなたはその方と出会います。あなたにはその時を…曇りのない澄んだ目で見て欲しいのです」


ごくわずかな沈黙の後、電話の向こうが声を継いだ。

『大変失礼を申し上げました。 商談の件はジェントス様にお伝えします。 “槻水の姫”が笙悟陰様の探し求めている方なら、何よりも優先されるのはその方の事でしょう』


「いえ、カノジョは…とても素晴らしい素養の持ち主だけれど…探し求めている“Queen”ではないわ」


『そうですか…私には笙悟陰様こそが“Queen”としか思えない。笙悟陰様が何世紀にも渡って積み重ねて来た功績を知るに付け、そうとしか思えないのです』


「いいえ違うのです。鈴女の力もそうだし、私もそうなのだけど…私達の力は作用する事は出来ても労り(いたわり)抱きしめることはできない。それでは人と“魔女”の真の共生と同化はできないのです」


『笙悟陰様は“人”や“魔女”の分け隔てなく、労り抱きしめることも沢山なさって来た、私自身、それを与えられた一人です。やはり笙悟陰様以外には“Queen”は考えられない』


香狩は両手でスマホを抱きしめて静かにため息をついた。


「あなたの言葉…とても嬉しい。でも私が、それができていたとしても、それは魔女の力とは別の事です。“Queen”は魔女の力として、それが出来得る者…私達とは力のあり方が違うのです。 ああ、鈴女がこちらに歩いてきます。 では明日の件、宜しく頼みます」


そう言って電話を切ると香狩は“少女の笑顔”を被り、鈴女に声を掛けた。


「ちゃんと掃除当番もこなせた?」


「はい! あの…ウェーブグライダー ありがとうございます」


「うん、私のとジョイントして2台がかりで…あなたのウェーブグライダーに無作為に入り込んだエナジーを整流したわ。あなたのウェーブグライダーに貯めてあるから、これからの操作練習の時には、そのエナジーを使いなさい」


「ありがとうございます! 笙悟陰…様」


「そう呼ばれるのはちょっと… そうね、私はキミの事、鈴女と呼ぶけれど、キミは私の事、()()()()()()()()、“センパイ”と呼びなさい」


「えっ?! いいんですか?」


「私たちは二人ともJKよ! こう呼び合うのが自然だと思わない?」


「あはっ! そうですね」


「あっ! 今一瞬『年寄りの冷や水』とか『短いスカートがイタイババアだな』とか思ったでしょ?!」


「いえいえいえいえいえ!!! 絶対思ってません!!  “センパイ” とっても素敵!!って思いました」


香狩はカラカラ笑って鈴女の頭をヨシヨシした。


「今日は色々あって大変だったね。帰ったらゆっくり休みなさい」


しかし鈴女は頭を振った。


「まだ、これから…お弁当屋さんのお手伝いがありますから」


「そっか! それはご苦労様! またキスするか? オラの魔法種、分けてやっぞ!」


「キャハハハ 癖になるとマズいので それは遠慮します」

と鈴女は笑いながらも丁寧にお辞儀をした。


「今日一日、色々とお世話をいただき、本当にありがとうございました」


「鈴女、私も今日はとても楽しかったよ! 明日も仲良くしてね」


「はい!よろしくお願いします。」


「うん!いい返事だ!」


香狩は鈴女をギューッと抱いて耳元で囁いた。

「お弁当を買いに来ていただいたお客様にも、今の様に挨拶なさい。では、いってらっしゃい」






2022.6.9更新

イラスト追加しました。


西嶋瞬さん 案①


挿絵(By みてみん)



香狩さんは恋多き女性でもあります。(魔女だけに???)


その中で一番の男性たる西嶋さん…描くにあたってモデルはいるのですが、上手く描けるかどうか挑戦してみます(^^;)

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