1.奴隷を見に行こう
こんにちはマルマルです(^^)/
最後まで読んで頂けると嬉しいです
◎王の広間
「勝彦は前へ」
「はい」
黒い軍服を着て、サンタクロースが使っている赤と白の帽子を被る小さなフクロウの男が、
緊張した足取りで王の前にヨチヨチ歩いて行った。
「おい、あれが噂のフクロウ族の勝彦か?」
赤い目をした大臣のクモ男が、隣の黒い牛男に話しかけた。
「ああ。凄い出世だ」
「フクロウ族と言えば、最低のランクCのくせに、
どうやって手柄を上げたんだ?」
「さぁ~知らん。
ただ、1つだけ言えるのはキレ者と言う事だ」
「フン。気にくわないが、要注意人物だな」
周りから一気に注目を集める存在になった勝彦。
王冠を被った白ヒゲの犬が、賞状を勝彦に渡した。
すると、周りから一斉に拍手が起きた。
くるりと振り返り、片手を上げて辺りを見回した。
「あ、どうも。どうも」
ひきった顔の勝彦。
(はぁ~。手柄を上げるつもりがなかったのに、
何でこんな事になったんだろう~。はぁ~)
ため息を付く勝彦だった。
黒いローブを被った怪しい者が、部屋の隅からじっと勝彦を見ていた。
◎勝彦の家
「ねぇ~。まだ~」
女の声が聞こえてきた。
「ちょっと待っててね」
勝彦は慣れた手つきで、フライパンを振るってチャーハンを作っていた。
「お腹空いたから、早くしてよ」
「はいはい」
大きな皿に、天井に着きそうな超大盛りのチャーハンを乗せた。
『ムーブ』
チャーハンが入った大きな皿がプカプカ空中に浮いて、
女がいる所に向った。
そして、勝彦は違う料理を作っていた。
すると、10秒もしない内に空になった皿がプカプカ戻ってきた。
「こんだけじゃ足りないから、もっと早く作って」
「はいはい。ご主人様」
(ご主人様は、ボクなのに何で奴隷にコキ使われて、
料理を作ってるんだろ~(×_×)トホホホ
でも、絶対にボクの言う事を聞かせてやる!!)
「早くしてよ」
「ホント、人使いが荒いんだから~」
嫌味ぽっく、ぼそりと言った。
「何だって?」
地獄耳の女は、怒り気味の声で言った。
「何でもないで~~す。直ぐ作りま~~す(^〇^)/」
恐怖に怯えながらも楽しく料理を作る勝彦だった。
・・・・・・・・・・・・・数ヶ月前
◎奴隷が売っているお店
「ふぅ~。ここが噂の奴隷が売っている所か。
初めてだから緊張するな~」
大きなテントを見上げるサンタクロースの帽子を被った勝彦だった。
ボクの名前は勝彦。
最弱ランクのフクロウ族で、不人気の支援系魔法使い。
はっきり言って弱いし運が悪い。
・・・
ある者の鶴の一声で、せっかく苦労して入った冒険者のパーティも直ぐにクビ。
・・・
傭兵団に入ってもある者のせいで、
連戦連敗して報酬を得る事が全く出来なかった。
・・・
ある者を罠に嵌めようとし男が、
逆に罠にはまり、罰を受けそうになった。
その時、結婚を約束していた彼女が彼を救うため、
ボクに無実の罪を着せて刑務所送りにしたんだ。
心も体もボロボロで、生きるのがしんどくなり、
死のうと思ったが
・・・
牢屋で、ある者の情報を聞いて不敵な笑みを浮かべた。
(この情報を聞いた時は、天にも昇る嬉しさだった。
見ていろよ。( ̄▽ ̄)フフフフ)
そして、不運な自分の人生を変えるため、
・・・・
ある計画を実行するために決意するのだった。
(ここからが、第二の人生だ。
やるぞ~~~~~~~~~~~~~( ̄〇 ̄)!!)
気合を入れる勝彦だった。
・・・・・
「さてさて。ボクの計画に必要な奴隷はいるかな?
( ̄▽ ̄)フフフフフ・・・痛って」
中に入ろうとした時に、野球ボールくらいの大きさで、
丸くて黒い石につまづいて転んでしまった。
「たっくーー。何でこんな所に石があるんだよ。
・・・
本当に今日も付いてないな~」
丸い黒石をポイッと投げ捨てた。
そして、起き上がって服のホコリを払い、
テント中へテクテク歩いて入ろうとした。
すると、勝彦が投げ捨てた丸い黒石が、
コロコロ転がって勝彦の影に消えてしまった。
◎テントの中
「いらっしゃいませ。当店は初めてでしょうか?」
セミ男の店員が、
両手をモミながら低姿勢で聞いてきた。
「は、ハイ。奴隷を買うのも初めてで」
緊張した声で勝彦が言った。
「なるほど。そうですか。ゼミゼミ」
ニヤリと笑うセミ店員
「では、どういった奴隷をお探しですか?」
「安くて、強くて、じょ、女性モンスターが良い」
照れながら言う勝彦。
「なるほど。なるほど。
女性モンスターは人気が高いですからね。
・・・・・
旦那様が何をするか知りませんがね。ゼミゼミ」
また、にんまりと笑うセミ店員だった。
「ではご案内します。『ワープ 地下1892階』」
セミ店員が魔法を唱えると、
勝彦の下に黒い魔法陣が現れて、二人とも地面に沈んで行った。
◎地下1892階
牢屋に女性モンスター達がいた。
「こちらは、ランクBのモグラ族です。
穴掘りが得意ので、相手の罠を仕掛けたり、
建物を建てたりする時に便利です。
ちなみにお値段が10万ゴルードです」
セミ店員が牢屋に入っているモグラの女性を指さして言った。
「そうですか。何も問題は無いんですよね?」
「え?・・・ええ。
全くありませんよ。ゼミゼミ」
予想外の質問に、目が泳いで動揺するセミ店員。
『ステータス ターゲット オープン』
心の中で、フクロウ族が得意とする魔法を唱えた。
すると、モンスターの横に、
勝彦だけに見えるステータスが表示された。
===============================================
【名前】ラゼール(女)
【種族】モグラ族
【全体ランク】C3
【HP】 C2:345(頭:62 体:143 腕:100 足:40)
(↓207)
【魔力】 C3:456(↓274)
【力】 C3:567(↓340)
【回避】 C2:322(↓193)
【命中】 C3:490(↓294)
【防御】 C3:588(↓353)
【魔法防御】C3:414(↓248)
【特殊能力】C3:穴掘り(消費魔力20)
:どんな堅い所でも掘る事が出来る。
【説明】
穴掘って罠を仕掛けたり工作員として活躍。
【好きな事】とにかく穴を掘るのが好き。
【状態】両手が怪我してるので、能力が40%ダウン
【注意事項】怪我をしやすい。
===============================================
(この店員ウソばかり言ってるんじゃん。
ランクも違うし弱い。
しかも怪我をしているから、40%ダウン。
ダメダメじゃん)
「どうでしょう?」
「他のと比べてみないと解らないな~」
心の中を悟られない様に笑顔で答えた。
「なるほど。なるほど。ではこちらはどうですか?」
別の牢屋へ案内された。
「ランクAのシマウマ族です。
足が速いので回避がずば抜けてますし、
・・
何より美しい女性ですよ。
ちなみに料金は100万ゴールドになります」
「う~~ん」
腕組みをする勝彦。
『ステータス ターゲット オープン』
心の中で勝彦が魔法を唱えた。
===============================================
【名前】ククル(男)
【種族】シマウマ族
【全体ランク】A1
【HP】 A1:454万
(頭:52万 体:166万 腕:123万 足:113万)
【魔力】 A1:822万
【力】 A1:456万
【回避】 A1:1422万
【命中】 A1:672万
【防御】 A1:444万
【魔法防御】A1:780万
【特殊能力】A1:高速移動(消費魔力10万)
:回避率が2倍になり避けやすくなる。
C1:キス攻撃(消費魔力1)
:相手のテンションを下げる。
【説明】
走るのが好きで、相手の攻撃を回避するのが得意
【好きな事】女性の格好をしたり、
男性とキスをするのが好き。
【状態】男にもの凄~~~~く飢えて危険な状態。
【注意事項】誰にでもキスをしまくるので注意。
===============================================
(すげ~~こんなステータス見た事がない。
やっぱり、ランクAになると強さが全然違う。
・・・・・でも。こいつ男じゃ~~~ん(×_×)
しかも、キスをしまくるとかヤバ過ぎる)
ステータスを見て寒気を覚えた。
ヒゲの生えたシマウマ族のモンスターと目があった。
「あら、良い男じゃな~~~い♪♪
私とキス、キス、キスしましょ~~~う」
牢屋から必死にキスをしようとした。
「ひょええええ~~(×д×)!!。無理無理」
羽をバタバタさせて飛んで逃げた
「お客様~お待ちを~~~」
セミ店員も一緒に羽をバタつかせたが、
飛べずに走っていった。
「もう。照れやさん。なんだから。チュ」
シマウマ族のモンスターは投げキッスをした。
「はぁはぁはぁ。ビックリした(°д°)!!」
全力で飛んで来たので、肩で息をする勝彦。
他の牢屋と違う甘ったるい香りが漂う所にやって来た。
ふと牢屋の所を見ると、衝撃を受けた。
「めちゃくちゃタイプ( ̄▽ ̄)!!」
思わず言葉を発してしまうくらい、
勝彦にとって理想の女性モンスターがいた。
「胸もお尻も大きいし、美人で清楚系の顔。
文句なしに、ボクの理想のタイプだ。
でも、変な能力は、嫌だから念のために調べよう。
不安要素がありませんように
不安要素がありませんように
不安要素がありませんように」
両手で祈るように呟いた。
『ステータス ターゲット オープン』
心の中で勝彦が魔法を唱えた。
===============================================
【名前】乙女(女)
【種族】人魚族
【全体ランク】A5
【HP】 A5:9540万
(頭:1520万 体:3660万
腕:2230万 足:2130万)
【魔力】 A3:5220万
【力】 A5:8560万
【回避】 S1:1920億
【命中】 A5:8550万
【防御】 A5:9440万
【魔法防御】A5:9800万
【特殊能力】A5:深海(消費魔力1000万)
:深海の奥深くに沈める大技
【説明】 ・・ ・・
海を泳ぐのが得意で、魔力が1番ある。
【好きな事】特になし
【状態】健康
【注意事項】特になし
===============================================
「うぉおおおおおおおおおお(°д°)!!
なんじゃこれは( ̄〇 ̄)!!
めちゃくちゃ強いじゃん。
回避のランクがS1で1920億って凄すぎ過ぎる。
初めてこんな強いモンスター見た。
めちゃくちゃ欲しい欲しい欲しい欲しい( ̄▽ ̄)!!
でも、こんな強いモンスターは、
高くて買えないんだろうな~ ( ̄3 ̄)ふぅ~~」
凄く残念そうに、ため息を付いた。
走って来たセミ店員がようやく追いついて来た。
「お客様~。速いですよ~」
「ごめんごめん。
何で酸素マスクみたいなのを付けているの?」
セミ店員の口の所に酸素マスクの様な物が付いていた。
「え? これですか?
え~~っと。走って来たので付けたんでよ。
ゼミゼミゼミ」
目が泳ぐセミ店員は、笑って誤魔化した。
「ふ~ん。それで、このモンスターはいくら?」
「これはですね。
うちで最高級の女性モンスターなので、
1億ゴールドと言いたいですが、
大サービスとして、1万ゴールドで良いです」
「ええええええ(°д°)!!」
衝撃のあまり、思わず声を出してしまった。
「高すぎましたか?」
「イヤイヤイヤそんな事は無い無い」
首を高速で左右に振った。
(このモンスターの価値を全く知らないんだ。
やったーーーー掘り出し物だぞ。
これは買いでしょ( ̄▽ ̄)♪♪
そして、あの子と、キ、キスをしたり、
あんな事やこんな事も( ̄▽ ̄)デヘヘ)
ヨダレを垂らしながら妄想する。
「イターーーーー」
妄想していたら、何かにつまづいて尻餅を付いてしまった。
「何につまずいたんだ」
辺りを見回すと、丸い黒石があった。
「あれ? またこんな所に石が?」
「お客様。大丈夫ですか?」
「ええ。まぁ」
疑問に思いながらも、立ち上がった。
「では、こちらをお買い上げで良いですね」
「ああ・・・・・・え?」
勝彦の目が大きく見開いた。
「えええええええええええ何これ(°д°)?」
ビックリした声で言った。
好評価をしてくれたら、テンションが上がって書くスピードが速くなります(o´∀`)b