怒濤の日々の始まり……!?
感動の一幕(?)もあり、私も獏くんもこの子を育てる事を決意したのであります!
不安は拭えていないけど、何事もやってみないと始まらないからね!!
フェンさんもサポートしてくれるって言ってくれて、心強い限りですし。
無理はしないように、些細な事でも変化があればすぐに連絡するようにって、私に固く言い残してから彼女は帰っていった。
明日までには私専属のチーム的なものを作ってきてくれるそう。恐れ多いし、有難い限りでございますわ……!
その日はやっぱり悪阻が治まらなかったので、私はそのまま休む事になった。
獏くんは食欲なくても食べやすいようにお粥みたいのを作ってくれたり、背中を擦ってくれたり、色々と気を使ってくれた。
私としてはこれからの勉強とかお話をしたいなって思ってたんだけど、獏くんにやんわり止められてしまったのよ。
「ひぃちゃん……君の気持ちは分かるんだけどね、とりあえず今日は休もう?ほら、まだ日にちはあるんだからさ、明日から色々と準備していこうよ、ね?」
でも……と言いかけた私に、またもや急激な胸のモヤモヤが再来……うん、今日は素直に休みます……うぅっ……。
実は私にも公務が控えてはいたんだけど、それも上手く調整してくれるって彼は言ってくれた。
「ひぃちゃんが無事に出産を迎えられるように、夫としてしっかり支えていくからね!公務の事は気にしないでいいからね?公務なんて君の事に比べたら、二の次三の次だからね!」
……だって。
王様としてその発言はどうなんだろうって思ったけど……それだけ心配して私の事を思ってくれているって事で納得したわ、うん。
……で、翌日です。
朝から外が騒がしいなと思ってたら、どうやら国を挙げてのお祭りが開催されている模様でした……。
原因は勿論私の懐妊の件ですよ。
昨日それが分かってすぐに獏くんが一時いなくなったんだけど、どうやらその時に国民全員に向けて、喜びの公示を行ったんだってさ。ああ……ご機嫌な様子で意気揚々と話している獏くんの様子が目に浮かぶようだよね……うぅ。
何せお後継ぎの誕生はここ数十年なかったそうだから、皆の期待度はMAXみたいよ……おおぅ……。
お祝いの花火は朝からひっきりなしに上がっているし、山車やら神輿みたいのは出るわ、道なりに屋台は出るわ、記念のお菓子が出るわ、号外は出るわで、外は大いに盛り上がっているみたい。今は正直食欲はないけど、お菓子にはちょっと興味あるなぁ……じゅるり。
獏くんが言うには、他の国にも知らせを飛ばしたから、恐らくは明日辺りから各国からお祝いやらも届くだろうし、訪問する人も増えるかもって話らしい。そ、そんな大事になってるのね……はわわわわ!?
そういえばさ、元の世界でも王族が結婚したとか出産したとかあると凄く盛り上がってたけど、世界が違っても同じなんだねぇ……嬉しいのは嬉しいけど、やっぱりどうにも恥ずかしさが抜けないや。まあ、つい最近まで一般人だった私なので当然な展開だよね……あはは……。
ま、まあ、外の様子はさておき……気分だけでも少しさっぱりしようかと思ってお風呂に向かった私。
服を脱いでふと下を見たその時、私は驚愕してしまったのです。
思わずその場ですっ転びそうになったけど、お腹の事を考えて何とか踏みとどまった私偉い!
昨日まで比較的平坦だった下腹部が……やや膨らんでる……だと!?
も、も、もしや……これは……赤ちゃんが大きくなったと……そういう事だよね!?
だって、昨日はお腹が一杯になるほど食べられてないし、今朝もあまり食べる気が起きなくって少しだけしか食べてないし……。
えっ……でも妊娠が分かってから一日で目に見えて変わるもんなの……??
戸惑いながらもその場で思わず獏くんを呼んで、すっ飛んできた彼に変化を確認してもらうと……やっぱりお腹が大きくなってるって言われた。
「ふふふ……昨日よりずっと育ってくれたんだね……!流石俺達の子供だよ……会えるのが楽しみになるね、ひぃちゃん!!」
なんて、私のお腹を優しく擦りながら嬉しそうに頬擦りしてた。
ちょっと擽ったかったけど、そんな風に喜んでくれると私も嬉しいなって思えた。さっきまで悪阻で気分最悪だったんだけど、今はスッと心穏やかな温かい気持ち。これが……母性ってやつなのかな……?
今動いた!?なんて言ってたけど、流石にそれは早いんじゃないかって話だけど……まさか、ね?
その後、直ぐにフェンさんが来てくれて診察してくれて、順調に育ってますよ〜ってお墨付きも貰っちゃった。むしろ成長が早すぎて早産かもって言われちゃった、あわわ!?
でも、これではっきりしたけど、お腹の子は獏くんの血を強く引いてるって事……なんだよね。
これは色々と準備を進めないと……大変かも!?
えっと……まずは何から始めたらいいかな……???