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新世紀の殉教者

風の吹き抜ける方へ

作者: keisei1

 大人びた話は出来やしないさ

 まだまだ僕ら 子供ガキだからね


 女の裸を見て 上気して

 少しはやる気は出たが 頓挫して


 ちらついた報酬と 綺麗ごとに乗せられて 走り回り

 いい加減ゴールテープのある場所くらい 

 教えてくれたって不公平じゃないんじゃない?


 夢はもう見飽きた そろそろ手に取る

 実感のある生身の 「未来」って奴を見たいんだ


 僕らは いつまで留まってるんだ

 心を定めて 狙いを絞ったなら 光り輝く

 あの風の吹き抜ける方へ



 テキーラなんて飲みはしないさ

 お気に入りは ピザの傍のコーラ


 彼女と適度に距離 取ろうとしても

 取れないのが 悲しい性ってもんで

 

 ぶら下がった勲章と 吹聴された理想で 走り回され

 いい加減せめて 天国のある場所くらい

 教えてくれたって不公平じゃないんじゃない?


 夢を そう 見過ぎて 近眼になっちゃって

 この災難 どう保証してくれるって言うんだ


 僕らのターゲットは もう決まってるんだ

 照準を合わせて 眠い目こすったら 光り輝く

 あの風の吹き抜ける方へ


 

 疲れた大人の愚痴を聞いて

 「はいはい」と頷くのが仕事だなんて


 学校じゃ習わなかったはずだし

 ノルマにも組み込まれちゃいないはずさ


 揺れ動く勲章と 勇ましさを秤にかけられて 

 いい加減 そうだ 幸せの入り口くらい

 教えてくれたって不公平じゃないんじゃない?


 夢の遠回り さんざん刷り込まれた挙句が 

 都会に放り出されて 立ち尽くしてんだ


 僕らの引き金を引く準備は出来てんだ

 邪魔を吹っ飛ばす 準備も出来てんだから 光り輝く

 あの風の吹き抜ける方へ



 魂は老いないって話 あの男の話

 信じ込んで ここまで来たけど

 老いたる母の手の皺を見て

 当たってるねって 思ったりもして


 悪くない


 

 夢の在り処を探し 訪ね歩き

 くたくたの足 放り出して 強がる気も失せた  


 僕らの保証人は ゼウスか天照か

 そんなこと知ったもんじゃないが 光り輝く


 夢を求めて 都市に出て来ては

 鉄槌喰らわされた僕らの 嘆き節よ


 僕らの照準は もう定まってるんだ

 心を落ち着かせて 狙いを決めたら 光り輝く

 あの風の吹き抜ける方へ



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