↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最低男とダメ女  作者: みずき
13/25

第十三話「カレーの日」






「今日はカレーです」

「わーい」

「しかし、ここで残念なお知らせがあります」

「なんでい」

「ご飯を炊き忘れました。ごめんなさい」

「許そう」

「やったー」

 そんないつも通りのくだらないやり取りを済ませると、私はエプロンを脱いでハンガーに掛け、さっさとテーブルに着いた。スプーンを手に取りながら、普通に謝罪をする。

「いやあ、ホントごめんね」

「たまにはいいんじゃない? ほら、あんまり食べ過ぎるのもアレだよ。きっと。あ、いただきます」

「アレっていうのがどれかはわかんないけど、フォローありがと。ってか、日向はもっと食べたほうがいいよ。細すぎ。おっと、いただきます」

 言うと、日向の目線がちらと私の胸元に向いたのがなんとなくわかった。私はスプーンをがちゃんとカレー皿に叩きつけ、にっこり笑顔で問い掛ける。

「私のスレンダーさに見惚れてたのかな?」

「なに言ってるの? 俺は文目の身体ってだけで全部大好きなのに」

 うわお、不覚にもドキっとしたぜ。このスケコマシ野郎が。ま、こんなんで照れるほど私は女々しくないんだけれど。

「……」

「いや、そんな露骨に照れられると俺も恥ずかしいんだけど」

「照れてないやい!」

「ああ、ほら。カレー零してるから」

「か、かたじけない」

 ティッシュを手渡されて、テーブルやら口元を拭きまくる私。なんだかなあ。私ばっかり日向にドキドキさせられているようで、少しだけ悔しかったです。

「カレーだけってのも結構いいね」

「そうですね。おじいさん」

「ですねー。おばあさん」

「何を。私はまだピチピチピッチだぞ」

「俺もだよ」

「うへへ」

「うはは」

 そんな何の変哲も無い、いつも通りの食卓の風景。そんな当たり前の日常が何よりの宝物、だなんてくっだらねーことは言わないけれど、日向といる毎日は前よりも少しだけ充実している。

 ふと、同棲も悪くないと、そう思った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。