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04



「安藤美郷の監視? 何で急に」

「うむ、出会ってしまったからには放っておけなくてな。 あの様子ではまた煙草をふかすだろうしな」


 確かに、あの様子じゃ確かにまた仕出かすだろうけれど……何故俺まで巻き込まれそうな空気になっているのだろうか。

 


「いざとなれば戦えば良いだろう」



 簡単に言ってくれるじゃねえか。

 この学園の校則上戦闘は『任務』の時以外は許可されてはいない。

 正式には許可されていないのは『(のうりょく)』の使用だけなのだけれど、つまり戦闘……喧嘩はしても良いとそういう事になる、のだろうか?


「お前なぁ……」

「実技トップ様がいれば余裕であろう?」

「お前校則読んだ事ないだろ」

「どういう意味だ?」


 本当に読んでいないのか、読んでいるのに戦おうとしているのかどっちなんだコイツは。

 というか、読んでいるのに戦おうとしているのなら相当な強者だ。

 敵に回したくないような行動力というか、いや行動力ではないか……。



「学園内での『(のうりょく)』の使用は許可されていないんだぞ」

「構わん構わん」


 構わんのはお前だけだ馬鹿野郎。

 少なくとも俺は構うよ

 あれ、ちょっと前にスルーしてしまったけれど実技トップ様がいれば余裕……?

 何コイツ、俺は何? えっと、一緒に行動するのは決定な感じなのか?


「色々可笑しいだろ」

「何がだ? まず、安藤美郷の行動ルートなのだが学園にいる時の八割は屋上で煙草をふかしているらしいのだ」

「らしいって……つか監視してどうするんだよ、何かあるのか?」



 俺の質問に真顔ーーというか無表情になる花京院に俺は何と無くコイツが何も考えていないのだろう、という事を察した。


「こ、これから考えれば良いであろう」

「……そうすか」


 これから考えるって……

 まあ、人生なんだかんだ如何にかなると思うけれど……あの不良少女に打つてなんてあるのか。

 もう手遅れ……だと思うけどなぁ、俺は



「うむ、手始めにーーあ、」

「……あ」


 手始めに、と花京院が言葉を続けようとしたその時。

 絶望の鐘ーーではなくて、授業開始の鐘が廊下中に響き渡った。

 

「ど……ど、ど……!」

「すまんすまん、鳴ってしまったな」


 ヘラヘラと笑うコイツに俺は苛立ちから拳に力を込めた。



「授業始まっちまっただろ!! どうするんだよ!?」

「す……すまん!! 悪気はないのだが……」

「学年上がって直ぐにサボる事になるとは……俺の内申点が…」

「気にする事はないぞ、篠宮」


 ! 何か策でもあるのか……!

 やっぱり、前から選抜にいるだけあってーー


「ーーどうせサボるつもりだったのだから」

「……」



 この野郎……!

 何時か覚えてろよ……

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