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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

過去世は傾国の美女でした

なんとなく思いついたのでつらつら…

お時間あるときに暇つぶしにどぞ…

比較されることも許されないほどの美貌を誇り

瞳があえば、必ず異性に恋をされる。


傾国の美女。


それが私の前世……つったら信じます?


いや〜、、、私も半信半疑っていうか

夢にね、見る程度なので私の脳が勝手に捏造してんのかな、とも

思うんだけど、やたら細部がリアルだし、夢にしちゃ鮮明。

かつスペクタクル。


とにかく私はたまに夢で私の過去世を見る。

傾国の美女の私はその美貌で鼻持ちならない高慢ちきなお姫様かと思えば

じつは性格もよろしかったようで!

どちらかといえば、今の私に近いくらい、引っ込み思案だった。


マジでか。 その美貌があってもか。 どんだけだよ。


艶やかに、日の照り返しで七色にも輝く、黒髪に

コロンビア産のエメラルドも白旗を降る煌めく緑翠の瞳

桜貝も恥じるレベルの桜色の唇

そしてメラニンとか何?といわんばかりのアラバスタースキン…。


前世の私は完璧だった。完璧すぎたその美貌。


おかげで超モテてた。

ありとあらゆる美形の男にモテまくっていた。


金髪碧眼の美麗王子

銀髪金眼の美麗魔術師

赤髪金眼の竜王…

茶髪碧眼の騎士王…

その他諸々…。


あ、すごいファンタジーな役職名とかありますね。

そのあたりが私の捏造夢なのかな、、と思わせるところです。

だって完全に異世界ですからね。。。。竜王て、、、魔術師て、、、。


これがマジ過去世なら異世界ってやっぱりあったんだーーー!

という証明になるね。

誰にも証明できないけども。


まぁとにかく、すごい世界各所のお偉い美形どもに

ロックオンされて、求愛行動に悩まされ&世の女性からの嫉妬がすごかった!

ほんっっっとすごかった!

もともと引っ込み思案の過去の私はそれで胃をやられた。


死因は、胃痛で弱ってたところを嫉妬に駆られた女性に盛られた微弱の毒です。

弱ってる胃には微弱な毒でもでも強力だった。


「死ぬな、死ぬなセイラ…っっっっっ お前が死んでしまったら俺はどうすればいい…っ」


金髪碧眼の美麗王子が私を抱きかかえ慟哭している…。


「良いのです…王子…私は人に恨まれすぎました…。

 願わくは…生まれ変わるのなら…平凡に…ひそやかに…幸せになりたいです…。

 王子…私の…こ、とは…忘れて…どうか…お、し、、、あ…」


ーどうかお幸せに

その一言も言えぬまま過去の私は没した。


そして過去の私は神様にも愛されていたんだろうか。

現代日本に無事こうして生まれ変わりとして転生し

そしてなにより、願いどおり平凡。


超、平凡。

平凡すぎて埋没系。

空気。


神様ー仕事しすぎ〜。私超平凡すぎじゃん〜?


いや、でもいいよ! すごく! 快適!


誰もみないし、好き勝手出来る!

週末一人で本屋さんに出かけて好きなだけ立ち読みとかしてる!

なんならハードカバーの小説立ち読みですませて

買って帰らなかったりしてる! 本屋の敵だねこれ!!!?


あ、友達? 彼氏とデートです!!!


私、土日祝はちょうぼっちっす!


ちょ、神様? 私、平凡に幸せになりたいってお願いだったんだけど、、、

平凡のスキルが高すぎて未だに彼氏もできないって事だと

ゆくゆく掴みたい幸せも掴めなさそうな気がすんだけど、、、


これから、期待でいいのかな。。。

平凡に見合う、穏やかで、平凡な恋人がきっと、待ってるよね☆ミ



過去世 傾国の美女は 現世で 超平凡女子として

まだ見ぬ恋人に胸をはせながら 高校生、やってます!!




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



彼女は、知らなかった。

彼女が没した後、金髪碧眼の王子は言った。


「………生まれ変わったとしたら…?

 平凡に、、、ひそやかに、、、幸せに、、、?

 ふふ…セイラ…、誰に、、幸せにしてもらうつもりだい…

 俺は、、君をあきらめないよ。

 君が生まれ変わったとしても俺は君を見つける…。

 

 俺以外の男から幸せにしてもらうなんて…許さない…」


王子は…ヤンデレであった。



そして彼女は、知らなかった。 

彼女が没した後、彼女を喪ったその世界屈指の銀髪金眼の魔術師は

悲しみに暮れ、その悲しみが明けると猛然と魔術の研究を始めた。


「…セイラ…君のいない世界になんの意味があるんだろう…?

 私は君のいる世界へいきたい…

 私は…私のこの魔力が何のためにここまで強靭なものかわからなかったけど

 今ならわかるよ。

 君を追いかけるために、、、その研究のための力だったんだ。

 世界だって、時空だって、超えてみせる…。

 まってて…! セイラ…!」


魔術師は…ワンコ系であった。


さらに彼女は、知らなかった。

彼女の命が消えた後、

彼女に毒を盛った

自分を慕った上で凶行に走った自国の女官を断罪し

竜界をその失意と怨嗟で壊滅にまで追い込んだ

赤髪金眼の竜王は吠えた


「俺のいねぇ所にいっちまった…俺のしらねぇ所で…俺のせいで…っっっ

 許せねぇよ…。俺は俺が許せねぇ…っっ

 

 なのに俺は、、、まだお前が欲しい。

 どうしようもなくお前が恋しい…っっ

 諦めきれねぇんだ…。

 今度は失敗しねぇ…。絶対、絶対に…っっ

 だからセイラ…許してくれなんていわねぇ…

 俺がお前を救ってみせる…!待ってろ…っっ」


竜王は…熱血系であった。


ついでに彼女は、知らなかった。

数多の危機を救ってきたはずなのに愛する人の危機を救えなかった

茶髪碧眼の騎士王は騎士王の位を神に返上し旅に出た。


「私は間違っていた…。

 今まで数多くの民を救い…それで満たされていたと思っていた。

 そうじゃなかったのです。

 私は貴女が微笑んでくれるから…。

 世界を救っていた…。

 

 私が救いたい、仕えたいのは貴女だけだったんだ…っっっ

 私は…貴女に仕える騎士として、貴女の元へ行きましょう…

 二度と貴女を喪わないために…!」


騎士王は…生真面目不憫系であった。




そんな彼らは、それぞれの卓越した能力をつかい

転生、またはそのままの存在でコチラへ、


ーそう、現代日本へ到達することを叶えていた。



彼女と彼らが出会うまであと少し。


美麗4人の季節はずれの転校生が彼女の高校まで押し寄せるのもあと少し。


彼女の平凡が…破壊されるまで あと  少しなのである。





 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



…そして誰も知らなかった。


千の闇夜の帳と万の星々が煌めく静謐で荘厳な場所に

一人佇む影



「私が魂の時から見守ってきた彼女…

 そんな彼女を今度こそ平和で暖かな場所へ送ったつもりだったのに…

 我が愛子にまだ…虫がたかるんだ…。


 ふぅん、、、そう。。。


 もう少ししたら平凡な青年に姿をかえて彼女の前に降り立つつもりだったけど

 計画早めるかな…。


 彼女の事はもう彼らには任せられないよ。

 絶対に。ぜぇったいに。

 彼女に胃痛を味合わせるなんて…許せないもの…」



神は…粘着系だった。




かくして彼女の平凡はここに幕を閉じる。


彼女の幸せの顛末は…神さえも知らない。










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― 新着の感想 ―
[良い点] 神っ!?(笑)
[一言] 続きが読みたすぎるよっ。たんぺんなのがせつないいいいです。
[一言] 面白かったです。 長編にしてくれればいいのにと思いますw
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