~一緒に帰ろ!~
会話が多いですね……よろしければ感想をお願いします!
「し~ろちゃん」
「ん?」
振り返えった先にいたのは、最近よく昼食を一緒にする彼女だった。
頬を赤く染め、軽く息を弾ませているようだ。走ってきたのかな?
長めの黒髪が風になびいていて、ちょっとドキドキ。ポニテをキボンヌ。
「君かい? どうしたの?」
「い、いや。たまたま偶然行き当たりばったりなんですけど、白ちゃんを見かけましたので……ほら! 白ちゃん目立つし」
『目立つ』と言われた……
学ランのホックを外すだけで教師に怒られるこの高校。
髪を染めるだけでも珍しいこの田舎町にパツキンだもんね。髪の毛をいじってみた。
「わ、わ! もしかして……その、いや、だった……?」
彼女はあわあわとあわてて言葉を紡ぎだす。
両手をばたばたと振るさまは子どもっぽい。
俺はとぼけてみる。
「ん? なにが……?」
「そ、その……」
言い淀んでいる。
「えぇと……」
ちらちらと俺に視線をなげかけてくる彼女。
て、照れるじゃねぇか、そんなに見つめられたら。
そんな風に上目使いをされたら男子はイチコロですよ。
……ホントに困っているようなので助け舟を出してやる。
べ、別に! 恥ずかしいわけじゃないんだからね!
「この色のことかい? 別に気にしてないよ。
君が心配するようなことじゃないさ。ちょっとからかっただけさ」
「ほ、本当……?」
おそるおそる、うかがうようにして俺のことを見る彼女。
むぅ、上目使いはやめなさい。
「ホントホント。ガチ、ガチ。俺は、全くけほどもこれっぽっちも微塵切りも思ってないよ」
「み、微塵切りは違うよね……」
彼女は頬の緊張を緩めた。ほっと息をついて微笑む。
うん、君は笑っている方が可愛いよ。
「うん、君は笑っている方が可愛いよ」
「えっ、えぇぇ!?」
あ、やば、声に出てた。