~ん~? なんか眠いな~
…………おろ? なにか重大な事を忘れている気がする。なんだったかなぁ。
少年が眼を覚ましたのは次の日。眩しいくらいの太陽さんの光が降り注いでいた。因みに、少年は床の上で寝ていた。全身の節々が痛む。
少年はボリボリと後頭部を掻いた。ナニカを思い出そうと試みるも、失敗。ポッカリと穴が空いたかのように何も記憶が欠落している。
ま、いっか。忘れるくらいだし。
少年は何処迄も楽観的であった。
眠気の残滓が程良く残る朝の一時を過ごす少年に対して、王城に居る人間は大変慌てていた。
勇者様のもう一人、ショウネンが失踪していたのである。
ショウネンが滞在していた部屋には一通の置手紙。『捜さないで下さい。○』と日本語で書かれた置手紙。
残念な事に此の世界の住人には地球で培われてきたモノは通用しない。言う迄もなく日本語も。だから、なんと書かれているのか分からない。
最初に発見したのは侍女の一人。其処から転々と人から人へ伝えられ、王様の耳に届く迄にはかなりの時間を費やしていた。また王様から勇者ゼロへ伝えられるのにもかなりの時間が費やされていた。
少年は訓練の旨を伝えにくる侍女が何時迄経ってもやって来ないのを疑問に思った。数秒後には忘れていたのだが。
まぁいっかと納得して、直ぐに魔法の自学を始めていた。
自身の身体に流れる魔力という概念を全身に隈なく流す。血液のように。温もりが末端にも行き渡るような感覚。ただひたすらソレを繰り返す。
心臓の刻む律動よりも速く、血の流れよりも速く先へと流していく。全身の細胞が活性化していくの肌で感じていた。
少年の意識を無理矢理引き裂くのは、開かれる扉。大変無遠慮である。
「起きているか! 勇者?!」
突然扉を開けたのは金髪美形の騎士。親父が大貴族の所為なのか矢鱈と偉そうである。
「此の俺様が直々に呼びに来てやったのだ。とっととついて来い」
要件も言わず何時も自分の思い通りに事を運ぼうとする。傲岸不遜此処に極まれりである。
少年は寝衣姿のまま謁見の間へ呼び出されていた。道程、何故俺様が此のゴミの為に……などの嫌味をBGMに。
謁見の間にて、少年はショウネンの書置きを手渡され、早く内容を読めと急かされた。
なんとなく道具扱いされている様な気持ちがした。
「王様『捜さないで下さい、レイ』と此処には書かれております」
少年は昨夜もう一人のショウネンと話していたのだが、其の事は記憶にはない。後遺症の様なモノであろうか。
書き溜めているんですが、辻褄合わせに奮闘しております。
月一ペースの更新になると思います。




