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ノスフェラトゥとヴェアヴォルフ  作者: 周防涼白
ぶらり異世界小旅行編
49/59

~お、俺?~

「ゼロ、どしたん?」


 不意に呼ばれて、意識が戻る。そうだ、今の名前はゼロにしてあるんだった。


「いや、別に何でもないです……ただ、異世界に来てしまって、地球の皆は如何しているのかな、なんて思いまして」


 特に、彼女ではないあの女の子の事が気になります。


「ん? んー……まぁ確かに気になるわな。其れはそうと、敬語ウザい止めれ」


「おけおけ。で? レイ、何か用事でもあるのかい?」


「うにゃ特に。ゼロがぼーっとしているの視てなんだかなぁと思ってな。そだ、互いに自己紹介でもしないか?」


「自己紹介、ねぇ」


 如何やら、じゃあレイでと名乗ったショウネンとは仲良くなれそうにない。何処か自分に似ているような気がして、気持ち悪い。


 此れをなんて言うんだっけ。同族嫌悪? 同属嫌悪? 近親憎悪?


「ゼロだ。其れ以上でも其れ以下でもなく、ただのゼロ。って此れは自己紹介になるのかな」


 てか、恥ずかしい自己紹介だな此れ。


「まぁいいんじゃない? で俺はレイだ。そして、俺はお前だ」

 

 ……は? 何言っちゃってるの此の人。頭湧いてるの?


「ゼロ、お前は異世界モノのネット小説で、異なる世界の日本から勇者が召喚されるのを読んだ事はないかい? え、ないの? ランキングのチェックはした? あー世界が違うからないのかもね」


「……そうかもね」


「まぁ、いいや。んでさ、思ったんよ。異なる世界の日本から召喚される勇者が居るのなら、多次元(パラレル)世界(ワールド)から同一人物が召喚される事をアリじゃないのかってね。んでさ、仮説はこうして証明されたし」


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 如何して俺がお前だなんて分かったんだ。俺はお前の事を自分に似ているかもな、程度にしか感じなかったんだが……」


「それはさ、ほら……なんちゅーの、前世の能力を色濃く受け継いだとでも言うのかな」


 そう言って、レイは指パッチンをする、とショウネンの姿が変わる。爪先から徐々に光に包まれる。


 光の明滅が終わると、其処に居るのは、オレ(・・)だった。


「いや、なんかさぁ、ゼロは能力(チカラ)の殆どを失っているみたいだし? 俺を視ても反応なかったから、そう思ってみたり」


「なん……だと……?!」


「あ、だけど俺の場合、前の記憶が不完全なんだよね。多分オレ(オマエ)があの時の記憶を大方持ってるんじゃない?」


 此のような事があって良いのだろうか。自己同一性(アイデンティティ)の崩壊ですよ、此れ。

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