~お、俺?~
「ゼロ、どしたん?」
不意に呼ばれて、意識が戻る。そうだ、今の名前はゼロにしてあるんだった。
「いや、別に何でもないです……ただ、異世界に来てしまって、地球の皆は如何しているのかな、なんて思いまして」
特に、彼女ではないあの女の子の事が気になります。
「ん? んー……まぁ確かに気になるわな。其れはそうと、敬語ウザい止めれ」
「おけおけ。で? レイ、何か用事でもあるのかい?」
「うにゃ特に。ゼロがぼーっとしているの視てなんだかなぁと思ってな。そだ、互いに自己紹介でもしないか?」
「自己紹介、ねぇ」
如何やら、じゃあレイでと名乗ったショウネンとは仲良くなれそうにない。何処か自分に似ているような気がして、気持ち悪い。
此れをなんて言うんだっけ。同族嫌悪? 同属嫌悪? 近親憎悪?
「ゼロだ。其れ以上でも其れ以下でもなく、ただのゼロ。って此れは自己紹介になるのかな」
てか、恥ずかしい自己紹介だな此れ。
「まぁいいんじゃない? で俺はレイだ。そして、俺はお前だ」
……は? 何言っちゃってるの此の人。頭湧いてるの?
「ゼロ、お前は異世界モノのネット小説で、異なる世界の日本から勇者が召喚されるのを読んだ事はないかい? え、ないの? ランキングのチェックはした? あー世界が違うからないのかもね」
「……そうかもね」
「まぁ、いいや。んでさ、思ったんよ。異なる世界の日本から召喚される勇者が居るのなら、多次元世界から同一人物が召喚される事をアリじゃないのかってね。んでさ、仮説はこうして証明されたし」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 如何して俺がお前だなんて分かったんだ。俺はお前の事を自分に似ているかもな、程度にしか感じなかったんだが……」
「それはさ、ほら……なんちゅーの、前世の能力を色濃く受け継いだとでも言うのかな」
そう言って、レイは指パッチンをする、とショウネンの姿が変わる。爪先から徐々に光に包まれる。
光の明滅が終わると、其処に居るのは、オレ(・・)だった。
「いや、なんかさぁ、ゼロは能力の殆どを失っているみたいだし? 俺を視ても反応なかったから、そう思ってみたり」
「なん……だと……?!」
「あ、だけど俺の場合、前の記憶が不完全なんだよね。多分オレ(オマエ)があの時の記憶を大方持ってるんじゃない?」
此のような事があって良いのだろうか。自己同一性の崩壊ですよ、此れ。
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