~ちーっす、ゼロですよろしこ☆~
「ほほう……其方等が此度の勇者召喚の儀に依て現れた者達であるか。名を名乗れ」
豪奢な椅子に座り踏ん反り返る王様らしき人物はお姫様然とした女にそっと耳打ちされた後、そう仰った。
何処か値踏みするような不躾な視線を、少年は気持ち悪く感じた。
王だけではなく、この広間に居る殆どの人間は少年達を見ている。
二人の少年の服装は襟付きの学生服、紺色の学ラン、で其れも注目されている対象でもあった。
少年と一緒に召喚されたもう一人のショウネンはクルリと振り返り少年の顔を見た。お先にどうぞ、と促しているようである。
「あー、俺の名前ですか? えーっと…………零でお願いします」
なにやら少し考えたかのような間が或った。
「0(ゼロ)とな? 変わった名前だのう。其方も名乗れ」と、もう一人のショウネンに促す王。
「じゃあ、オレは零で」と、ショウネンは肩を竦めながらそう言った。
じゃあってなんだよじゃあって! と少年は思ったが、しかし、それを口に出すことはなかった。
「ふむふむ、0(ゼロ)と0(レイ)とな。お主ら二人は何かしらの縁でもあるのか?」
確かに名前は似ているようにも考えられる。其処にナニカシラが或るのかと思うのも無理なかろう。
「「いいえ、全く」」二人は顔を見合わせ、声を揃えてそう言った。
「そうか……まぁ良い。実はお主らは憎き魔族を滅する為に召喚されし者である。魔物を狩り、魔人を倒し、魔王を滅ぼすことが使命であ
る。良いか?」
「……はい」
少年は下手に刺激しない方が安全と思って同意の頷きをしてしまう。全く典型的なRPGですかいと内心呟く。八ビットの鬼畜ゲーを思い出すぜ。
「……納得は出来ないが、言いたい事は分かるよ。うん」と、ショウネン。
友達と話すような感じの、其の不敬ともとれるショウネンの態度に対して、全身鎧の騎士が叫ぶ。
「貴様! 王に対してなんたる口の利き方か!」今にも掴みかからんばかりの勢いでショウネンに詰め寄ろうとする。
「よいよい! 好きにさせておれ」
「しかし! この下賤な輩は……!」
「……二度は言わぬぞ」
と、王が口にするのと同時に広間の空気がピシリと音を立て、気温が数度下がったようにも思える。
「ヒッ! し、失礼しました」
しりすぼみながらそう言い、元居た位地へと戻る騎士。少年はただぼんやりと、その光景を眺めていた。
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