〜回帰ス此ノ全テノ事象〜
千字ぽっきりです。
より大きな存在へ。彼であった其れはそう考えたのである。
じわじわと宇宙へと境界を広げる其れ。
多大な時間を掛けることもなく、其れは太陽系と一つになった。
果てへと進行する其れは、あるデータベースに到達した。
アカシックレコードである。
唯、其処に在るだけの情報。宇宙の全てを記録している概念。
其れはアカシックレコードと同一化した。渾然一体となった。溶け合い混ざり合った。
完全。
究極。
絶対。
絶待。
其れは宇宙に為った。
宇宙と為った其れは拡大を続けた。大きく為って巨大になった。
当然、質量も増加した。
やがて自身の重力に耐え切れなくなった。
其れは地球を中心として、宇宙空間に漂う物全てを呑み込み始めた。
ブラックホールに似ている。
一度引き付け、惹きつけられた物は逃れられない。
引っ張られた物は離れられない。
呑み込み飲み込む穴のような存在。
地球よりも何倍も大きな、太陽よりも何十倍も巨大な惑星も吸い込まれた。
他の銀河系も飲み込んだ。一つや二つではなく何百、何千と。
プールの水が排水口に流れるように、星々は吸い込まれる。
そして、一瞬にして、宇宙全てが穴へ呑み込まれた。
ダイナマイトの爆発を逆再生するかのように、小さく矮小になった。
ンバグッビである。ビッグバンとは正反対の事象のようだ。
宇宙とは黒い穴のような物になった。
そして、穴は収縮して消えた。
なにもかも。全てが無くなった。
いや、小さいな、とても小さな点になった。無くなった訳ではない。
人の目には見えない程に。
点には全てが詰まっている。
今は宇宙とは点で、点とは宇宙である。
再び、彼の意識は浮上した。
なにも無くなったと彼は思った。
もう、なにも残ってはいない。
空虚に感じる以外、もう、なにも。
孤独になった。いや、戻ったと云う方が正しいだろう。
中学生までの、彼女に出逢う前の頃に。
寂しいなと思った。一度、暖かさを知ったから、その分落差があって辛いな。
結局、最後の最期には独りで誰にも認識されずに死ぬんだな、って。
点には時間の概念はない。時が過ぎることはない。
無限にさえ思える、行き着く所のない、永遠と云う名の地獄。
ふと、気付けば、なにか暖かさを感じた。意識を其方へと向ける。
其処には彼女が居た。制服ではなく、私服姿の彼女。
此方に向かって手を振っている。
そうして、俺は彼女と再会した。
一ヶ月振りですσ(^_^;)
如何でしょうか。次回最終回かな……?
分かりません!




