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〜あぁそうか、これが涙ってやつだな〜


 俺は彼女から身体を離し、真直ぐ見つめた。彼女は少し怪訝そうな顔をする。


「白ちゃん……?」

 俺は先生を……アイツをぶっ飛ばしてくる!!


「……うん!」

 

 俺は俺を以て俺を施行する。俺という存在理由に則って。


 彼女は俺の背中へと腕を伸ばしもう一度抱き寄せた。俺はされるがままに。


「例え、白ちゃんが人でなかったとしても、私と一緒に過ごした時間は嘘にはならないよ」


 俺の耳元で彼女は言葉を紡ぐ。少しばかりくすぐったい。そして、大きな安堵感に包まれる。


「だから心配しないで。世界が貴方を否定しようとしても、私は貴方を信じ続ける。根本的な解決にはなってはいないのだけれどね……」


 はははと彼女は笑う。軽く自嘲しているかのように。


「世界が敵にまわろうとも、私は貴方の味方だよ」

 ふふっ。


 不覚にも俺は鼻で笑ってしまった。あまりにも格好よ過ぎる彼女に対して。だって、そのような決め台詞は男の人が口説く時に使うようなものなのだぜ。


「うぅ〜。なんで笑うのかな〜? 物語ではこんな言葉が使われていると思うんだけどな……」


 キリキリと彼女の指が俺の背中に喰い込む。以外と痛いのだけれど、なんか心地良い。別にM的な発言ではないから。そこのところは不悪(あしからず)


 いやいや痛いってば。ははっ、君には参ったよ。それは男の人の口説き文句だよ。それを女の子に言わせたとなれば、ね。


「むー、私は凄く勇気出して言ったのに……もう知らない!」

 いやいや知らないとか言いながら、余計に強く身をくっつけるのはどうかと思うのだがね。


「し〜ろ〜ちゃ〜ん〜!!」

 ふふっ、ごめんごめん。今のは俺が悪なったな。いやだから悪かったってば。そんなに怒らないでくれよ。


 そう茶化す俺を、彼女はより強く抱き締めた。そして、とても小さな声で囁いた。


「死なないでね」


 そして、俺は夢から醒める。ふっと身体が軽くなるような浮遊感。


 彼女の温もりは余韻を残さない。ただ、唯一俺の元に有り続けるのは彼女と共有してきた時間だけ。


 それも今となっては決して、もう二度と手に入れることは出来ないのだろう。


 だって、俺が彼女を殺してしまったのだから。


…………○


 ふと、頬に冷たい感覚がした。触れてみると指先が濡れた。如何やら泣いていたようだ。


「カマちゃん。泣いているの?」

 う、うん。そうだけど、気にしないでいいよ。すぐ何時も通りに戻るから。


 俺は眼を閉じて眼元を乱暴に擦った。波の跡を消すように。


 ありがとう。

「うん? 一体なんのことについて?」

 君だろ? 俺に見せてくれた夢は。

「夢、ね」


 カノジョは遠くを眺めるような眼をしていた。


「カマちゃん。君が見ていたモノは夢であって夢ではないよ」

 うん? ちょっと意味が分からない。

「いや、分からないなら分からなくていいよ。ただ、これだけは知っておいて欲しいことがある」

 なんだいそれは。


 と言うよりも、夢ではないという方もかなり気になるのだけれどね。DDDとは一体なんなのだろうかね。


「言葉という縛りの上では遺憾ながらも夢に分類されるかもしれない。だけど、あれはあれで彼女の中にある確かな現実なんだ」

 つまり、先程の彼女は夢ではなく本物と認識した方が良いのか?

「そうさ」

 なら良かったと思えるよ。

「そうなのかい?」

 ああ。


 俺はぎゅっと拳をつくった。力強く握り締める。それが俺の決意を示すかのように。


「なにやら固まったようなのだね」

 ああ。俺はもう迷わない。

「そ……っか」


 一瞬、沈黙が訪れる。


「よし、そしたら彼女からは色々と貰えたみたいだし、ワタシからもプレゼントをしなきゃね」


 拳に落としていた視線を揚げると、そこに迫るのはカノジョの顔。


唇奉仕(リップサービス)


 余りにも突然過ぎる出来事に対して、思考が働かない。


「んー、これがワタシのFIRST KISSなのだぜ?」


その後、カノジョは素早く身を離してからそう言った。しかもなまら発音良く。そして若干頬を赤らめながら。


 反射的に……無意識的に……俺は唇の辺りゴシゴシ擦っていた。


「うわっ酷い事するね。傷付くわ」

 知るか! おれだって初めてだったんだぞ!!

「あーはいはい。今はそーゆーラヴコメ的なのは求めてないから」

 なんか滅茶苦茶腹立つんですけど!


 なんなんだこの扱い! 酷いのはどっちなんだ!!


「いいから、意識を自分の内側へ向けてみな。すぐに分かるから。……イメージは黒い海に飛び込む感じ」

 くっ、分かったよ、やればいいんだろ!


 俺は軽く自暴自棄(ヤケクソ)気味にカノジョの言う通りにした。


 すると、なにかにツナガッタ感じがした。そう、それは先程の彼女との繋がりのような、確かな絆。


 これは……


「それは君が呑み込んだ人達との関係。言うなれば『魂の共有(スピリチュアルコネクション)』かね」


 厨二病だった。

はい、またまた暴走ですね。


僕は何処へ向かっているのでしょうか……。


お気に入り件数が増えて感謝!


だけど相も変わらず感想は増えない(笑


如何したら感想を書いてもらえるんだろう……(遠い目



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