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〜はいはい、俺が悪かった。それでもういいだろ?〜

 煩い。キミはなんなんだ。俺にお説教でもしたいんですか? だけど今はよしてくれ。今の俺は軽い鬱なんだ。


「さて、第三の質問の答えはどうなるでしょうか……君ならもう分かっているんじゃないのかな?」


 いいや、全くを持って検討もつきませんな。だいたい、俺はもう忘れたんだ。埋もれた過去は掘り起こさなくていいから。


「カマちゃん、君はね……」

 止めろ。


 俺はカノジョの言葉を無理矢理遮った。その続きは聞きたくなったから。何時になく語気が荒かった。


 それ以上、喋る必要はないから。


 眼を閉じ耳を塞ぎ思考を停止して。俺には周囲の出来事が何一つ分からない。そうすることで……。


「……いや、君の意見など訊いちゃいないよ。君は何を為出来(しでか)したのか知る義務があるのだよ」


 だから。知りたくないと言っているじゃなか。


「ノン、君は思っているだけ。現にもう声を出していない。君は見たくない見たくないと思いながらついつい覗いてしまう寝とられモノの主人公かよ」


 違う! 俺は本当に知りたくないんだ。直視してしまったら、その重さに潰されそうなんだよ。


「……なんだい? では、何故、耳を塞こうともしない。もう既に粗方は理解しているんじゃないのかい? それならとっとと終わらせようや」


 煩い。


「君は良かれと思って、皆を助けようとしただけなんだよね?」


 黙れ。


「迫り来る脅威から皆を庇おうとしただけなんだよね?」


 喋るな。


「で、その結果、何万もの無関係な人々を殺したんだよな?」


 喧しい。


「なんだい? まだ君は拒否し続けるんだ。それなら直接でも頭の中にブチ込んであげるよ」


 カノジョはゆらりと右手を揚げて、俺の眼前で眼を潰すかのようにピースをした。徐々にカノジョの指が近づいてくる。




「夢追い人は夢を夢視る(DDD)」




 そう、カノジョが言葉を口にした途端、色のない世界から何処かの町に変わった。俯瞰した風景だ。あぁここは俺の住む町だ。いや、正確に言うのであれば俺の住む町だった場所だ。


 なんで過去形なのかって? おいおいそんな酷い質問をしないでくれよ。……そんなの俺が壊したからに決まっているだろうが。


 この平和な町並みを破壊したんだ。なにも知らない、なんの罪もない人々を盛大に巻き込みながら。


 公園には、さっきまでの肉体があった俺と、先生。そして、離れたところから彼女が覗いている。なんだ、やっぱり尾行していたのか?


 先生と俺はなんか話していた。そして、俺が呑み込まれた。


 彼女は勢いよく飛び出してきて、叫んだ。とても大きな遠吠えのようだった。


 彼女の身体は人型から人狼のような半人半獣になった。


 彼女が先生と相対して、今にも飛びかかろうとして……影が動いた。俺だ。


 そして、影である俺は先生を喰べた。


 しかし、一度消えた先生は裸の状態で地に足をつけていた。……と思った刹那。


 先生の身体はドロリと、粘性の高い液体のように崩れた。違う影になったんだ。


 先生は隣街ごと呑み込んだ。俺も負けじと頑張った。


 そして、俺は消えた。俺の住む町と隣街を喰べた後。


 全ては徒労だったのだろうか。全く意味のない行為だったのだろう。寧ろ最悪な行いだったのだ。


 ここまでは回想。嫌な過去だ。


 ゆっくりと過去を振り返ることで、心の準備が出来たのか、気が動転するようなことはなかった。


 しかし、だからと言って、別段心地良い訳ではないし、寧ろ最悪な程に気分は落ち込んでいるのだけれど。


 けれど、ストンと胸の中に何かが収まったような気がした。


「さて、カマちゃん。君は何を犯した?」

 俺は町を喰い潰した。


「君は今、何をしている?」

 現実逃避。俺には何も視えない聞けない感じない。


「君は何をすべきであろうか?」

 ……分からないな。


 俺には分からない。他人の物を散々ぶち壊しておいて、今更、彼らの為になにかをしたとしても、それは罪滅ぼしにもなり得ないでしょ。


 後ろ指をさされるに決まっている。……あれは化物。化物が如何して英雄になろうとしているの? 幾ら良い行いをしたところで、結局、過去に犯した大罪は消えやしないのに、って言われるんだろうさ。きっと。


「それはあくまでも君の考えであって、必ず皆が皆、君のことを誹謗・中傷するとは限らない。君の思いとは違って、喜ばれる行為なのかもしれないよ?」

 そんな訳あるか。


 俺がしてしまった行いはどう足掻いても赦されざる行為だ。間違えて人を何万人も殺してしまいましたじゃあ話にならないだろうが。


「それでも、頭抱えて独り塞ぎ込んでいるよりはマシだと思うけどね」

 それはマシなだけであって、ベストな解答ではなかろうに。


 ベターな選択では意味がない。万人が納得出来るようなベストを摑み取らなければいけないんだ。


「では何故何も考えないでいるんだい? 一番最高の誰もが幸せになれる為の方法を思考しないんだ?」

 ……いい加減にしておくれ。この会話には一体どんな意味があるというんだ。


 カノジョは眼を閉じた。ゆっくりと息を吸い込み、ふっと一息で吐き出した。


「君に期待しているからさ、カマちゃん」


低迷していますね。


もう何処へ行き着くか分からないです。


とっとと終わらせようと思っていたのに全然終わる気配がない件について。


ご感想ありがとうございます。今回は二千字程度です。


これからは、これくらいのボリュームで書けるよう頑張ります。


学年末考査が始まりましたー(泣

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