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~俺って……~

前半、~俺って……~

後半、__ところがどっこい、そうは問屋が卸さねぇ__


…………○


 俺は、俺だ。誰がなんと言おうと俺なのだ――記憶が嘘であったり間違っていない限り。だから、他の人間からどんなに過干渉されたとしても、俺が培ってきたものは揺るぎ無い事実として堆積しているはずだ。


 簡単に他の人間からは俺の人生は奪えない……奪われてはいけないのである。どんなに愚かな行為や取り返しのつかない大失敗をしたとしても、それらは全部、俺が経験したことなのだ。そうして、俺は成長してきたはずだ。


 おいそれと他の人間に「俺」ということを譲渡してはいけない。



 俺は俺の意志で以て選択する。

 嗤われようと、嘲られようと。馬鹿にされ、糾弾されようと。俺は曲げない。

 自分自身に嘘をつくなんてまっぴら御免だ。

 これまでは度々嘘を重ねてきたけれど、だけど、彼女が傍にいてくれるのであれば。俺は本当の自分をさらけ出したい。偽りの俺ではなく、正真正銘の俺を。


 だから見てろ。

 俺が間違っているのではなく、世界がおかしいのだとしらしめてやる。

 俺は化物になってやる。そうさ俺は吸血鬼なんだ。人から忌み嫌われる存在。

 だけど、この身体でなければ為し得ない事柄がある。それを今から遂行してみせる。


 生物淘汰なんて知ったことではない。そんな受け容れられない真実は俺がブチ壊してやる。そうさ、見てろよ。


――――*


 そう……彼女は、今――化け物にならんとしている。先程の絶叫のような遠吠えの後、着ていた服は内から盛り上がる肉によって割け、ある意味で色っぽくなっている――しかし、人外がそのような格好をしても嬉しくない。目に見える範囲の身体からは白銀に光輝く体毛が生えいた。真っ赤に燃え盛る夕陽を反射してキラキラと瞬く。


 少女は狼人間ヴェアヴォルフになっていた。


 少女の背は二メートルほどにまで伸び、しかし、その猫背の影響でせいぜい一・八メートルくらいにしか見えない――それでも充分過ぎるくらいに大きいのだが。狼人間が猫背とはこれ如何に。

 耳はドーベルマンのようにピンとたち、野性で生きる本来のように周囲の音を拾っている。口は細長く、ふちが黒くなりゴムパッキンのようだ。頭の形そのものが変わっていた。


 イメージ、二メートル弱の狼をそのまま二足歩行させているような感じである。そして、申し訳程度に衣服がへばりついている。


 ここで少女の血族の説明をするのはいささか忍びないので(てか面d……)、それはまたの後日に……再び登場出来るのかは妖しいところだが。




 彼女の視界には自身の両の手が映る。まるで自分の身体を確かめるかのように。そして、グッと拳を力強く握り締める。うしっ、少女は掛け声を出したつもりだが、実際にはガルルと獣のような呻き声だった。


「おやおや? あなたは誰でしたっけ……そうそう、学校の生徒さんじゃないですか。どうしたんですかその姿?」


 ニタニタと下卑た笑みを浮かべながら、センセーと呼ばれる女は話しかける。少女との距離およそ50メートル――空間を感じさせないような声。直接、脳に音をぶち込まれるような錯覚を覚え、気持ち悪い、と少女は端的にそう思った。粘つくような気配といい、声といい、そして、人を人と思っていないようなその振舞を。


 女の腹には少年の靴がゆっくりと沈み込んでいく。少年という存在は今まさに消えんとしている。その肉体も、精神も、影さえも……人々の記憶からさえも。


 少女は地面を踏み込み、女に飛びかからんとしているところに。女が如何やってこの少女を喰べてやろうかと思案しているところに。影は動いた。少女のでも女のでもない。

 少年の影が。



 少年は今現在、女の腹から出ているのは靴と脚の先しかなかった。つまり、少年という存在は靴と脚しかないと思われた。しかし、影もあったのだ。影が少年はココニイルということを証明している。



 ヌルリと影は意思を持ったように動いた。女の影を拒絶するように、ノロリノロリと動いた。依然として少年は動かない。女はそのことに気が付かない。陽は今にも沈み込もうとし影を伸ばしているからこそ、少女は気付けた――気付いたが故に動けないでいた。


 女が一歩を踏み出そうとした瞬間、少年の影は膨れ上がったり縮こまりしながら、ゆっくりと領土を広げる――闇の領域。そして、何かを形作るようにウネウネと蠕動する。


 ――龍だ。影は地面に描かれた黒龍になっていた。その龍は女を飲み込んだ。平面である影が、立体の生物を飲みこんだ。あとには塵ひとつ遺さない。あるのは漆黒の龍だけ。


 少女は呆然とした。目の前で起きた光景が信じられないのだ。当たり前である。影が人を飲み込んだのである。それも一瞬の出来事なのだ。瞬きひとつ許さない、ほんのコンマ数秒の出来事。


 少女は思う――少年は、少年は無事であるのかを。


 少女の視線の先にはただひとつ、闇黒龍が悠々と地面の表面上を泳いでいる。ゆらりゆらりと。


…………○

ありがとうございます。

てか「続きは来年かと……」とか言っているくせにすぐ書き上げたときたもんだ。読み直していないので誤字脱字が多いかも……(遠い目


さて、後半のタイトル(笑(笑

調子に乗って三人称視点? のようなものに挑戦してみました。

こんな感じで良いのかな……? ご指導よろしくお願いします(笑


あと何話かかきまして、その後長い長いエピローグを書きたいと思います。というよりかエピローグと呼べないモノかも……う~ん。


まぁそんな感じでよろしくお願いします。


よろしければご感想・ご指摘を……(チラッ

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