~へ~んしん!~
さぁ、またまたパクリが発動しました。
タイトル分かりますか(笑
なりたい姿を
一瞬、白の世界が耀いた気がした、と同時に眼も眩むほどの眩い光が放たれる。
車のハイビーム(だっけ?)を眼の前で照らされるような感覚。
不思議と不快にもならない。普段なら蛍光灯の明かりでさえも気分を害するというのに。
あれ?
彼(?)は予想外の不調和が起こったかのような気の抜けた声を出した、気がした。
そう……『気がした』のである……さっきまでのとは違い女の、しかも子どもの声だった。
今まで聞き慣れている俺の声とは違いロリーな感じがする声だった。
あれ、あれれれれ?
かなり焦っている、そのことだけは伝わってきた。
ただ、なにに対して冷汗をかいているのかは分からない。
場違いな感じの幼い声。なにがあったのだろう?
「おい、なにがあった?」
私の有する、吸血鬼の力を失っている……
「は?」
…………○
「で、どうやったらここから出られるんだ?」
少々、訂正……俺はかなりイライラしていた。
ふふん、それは不可能だね
なぜか分からないけれど、今の私は吸血鬼としての力を失っている
だから吸血鬼だった時に創ったこの固有結界は消すことが出来ない
残念でした!
なんか元気になりだした。すごくウザい。
さっきまで俺と同じ見た目をしていたのだが、今では完全なロリーに変身しているようで複雑な気持。自分に話しかけているのにも抵抗ががあったけれど、金髪金眼、さらに『美』がつくほどの幼女と話すのも気が曳ける。
俺と同じ学ランから、今は真っ赤のワンピース。スラッと伸びている手足が白くあ~、なんでロリーのことを詳しく言わないとならないんだ。
……と言うより、ちょっと待て。なに? 帰れないの?
「で、どうやったら帰られるんだ? お前に尻尾でも振れば良いんだっけか?」
だ~か~ら~今の私はなんでか分からないけど吸血鬼の力を失っているから無理だって!
勝手に自分の都合に合わせるな! 俺は帰りたいんだよ!
で、どうするの?
「あ?」
私はもともと自殺願望しかなかったから問題ないんだけどさ、あんたは15,6歳、とはいえまだ生まれてきたばっかじゃん?
私からすれば赤子も同然なんだけどね
……やっぱり思い残しとかはあるでしょう?
すみません。帰りたいとは思っていましたがなにも遣り残しとか未練とかありませんでした。
生まれてきてから十六年。ダラけたり真面目になったりしながら悠々自適に過ごしてきました。特筆するような出来事は当たり前のことながら皆無であり、それに成し遂げたいこと……もないです。
現代社会にありふれている普通で普遍的で凡庸に、平々凡々に生きてきました。
というか、ロリーな体型の人が自殺したいというのには抵抗があるな……
俺は『自殺』する子どものニュースをとことん嫌う。折角、親から授かった命を無下にすることが許せない。ストレスに耐えられないからといって、身を投げることには納得出来ない。
「自殺したい……とか……言うな」
ん? ん~? なになに? あんた、なに言っちゃてるの?
私は十分生きたんだよ、それにさっきの話を聞いたんだろ?
それなら分かってくれよ、察してくれよ、気付いてくれよ
私はもう疲れたんだよ? 私は死にたいんだよ
もう惰性で過ごすのは嫌だ、最期くらい私が決めてしまっても問題ないじゃん!
「それでも! ……死にたいとか言うなよ。悲しくなるじゃねぇか……!」
俺と彼女は睨み合い、そして十分過ぎるくらいに時間が経過してからむこうが折れた。
……そうかい……あんたはどうしても生きたいんだね?
それじゃ私は頑張らなければいけないね(ボソッ
「? なにをするんだ?」
いいから、あんたは黙ってな
「分かったよ」
ホントはよく分からないけれど、とりあえず相槌だけでも打っておく。
俺は白の世界に腰を下ろす。普通に座れた。遠近感とか全く掴めなかったから少しだけ安心する。
……とりあえずここらで状況整理でもしておくか。
まず俺。俺の名前は……
うるさいうるさいうるさい! 静かに出来んのかあんたは!
……怒られちゃった。まぁ続行しよう。俺のなま……
あのさぁっ!?
「んっ!?」
うるさいんだけど……!?
どうやらご立腹なご様子で……別にそんなにも怒んなくても良いじゃん、なんて俺は心の中で不満の声をつの……
ねぇ! うるさいって!?
…………○
また怒声を浴びせられるのはごめんなので、少し離れたところに移動した。ふと、この世界にははじっこがあるのか気になったので、とりあえず探索することにした。(状況の整理? またあとでやるよ。ほらこれもそれの一貫ってことで)
結果、分からない。
ず~っと歩いてみたけれど壁のようなものにぶつかる気配はなかった。振り返ってみるとさっきの吸血鬼(元)が米粒くらいの大きさになっている。1km以上は余裕であるみたいだ。
上下方向はどうなのだろうか? と思ったが、判断すべき材料がない。
……そういえば、吸血鬼なら蝙蝠とかに変身することが出来るはずである。確か、強くその姿を想像するんだった……はず。
眼を閉じ、強く蝙蝠をふと思い浮かべた。けれど、蝙蝠という生物は遥かに人間という生き物より小さい。だからもしかしたら万が一、失敗した時のことを考えて、空を飛べる蝙蝠っぽい人を心に投影した。鮮明にイメージを浮かべると、突如俺は光りだした。
うわ……なんかドキドキしてきた……!!
はたして、発光を終えた俺は、、、全身タイツ男だった。
なんでぇ~! と心の中で全力で叫ぶ。青タイツってどうよ。しかも全身……。首のところには貴族風のスカーフのようなビラビラがある。マントは外側は黒に近い紺色で内側は赤。髪の毛は神々しい山吹色を掻き上げた感じで固定されている。腕に眼をやると目茶苦茶、筋骨隆々になっていた。タイツなので、全身のラインがもろ分かりでかなり気持悪い。 男がするな、女の人がやれ。……腕を見ていたら気付いたけど、なんかほんのりと身体が光っている。湯気のようにユラユラと揺れていて俺から20cmくらいを境に空気と混ざり合う。なんだこれ?
ふと、俺はこの姿を格ゲーで見たことがあった気がした。ほら~なんだっけ、セガサタ~ンにも移植されてたやつの。『ストリートストリート』こと、『スト2』以降の"選ばれしゲーム"という異名を持つアーケードゲームの! ……う~ん、タイトルを思い出せない~。
俺はタイトルは断念して、技のコマンドを思い浮かべてみることにした。
確か……下・斜め《右下》・横《右》+弱P。
『カオスフレアー』
一瞬、頭に文字が……うおっ! なんか出てきた。
強制的に両手を胸の前に突き出す形になり、掌から炎が飛び出た。その炎は20Mくらい進んでから消えた。
「なにこれ?!」
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