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『婚約者を大好きな自分』を演じてきた侯爵令嬢、自立しろと言われたので、好き勝手に生きていくことにしました  作者: 皇 翼


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22.

夜。

学院の廊下はひっそりと静まり返っていた。

私たちは物音を立てないように慎重に歩き、校長室の前に立つ。まずは教師ではなく、校長の方を狙う。理由は簡単。こっちの方が立場が教師よりも強いからだ。より大きな情報が手に入ると考えた。


「見張りをお願い」

「はいはい、分かっているのでなるべく早くお願いします。流石に本人が来たりしたら止められないので」


マーカスに背を向け、校長室の錠前にかかった魔法を解く。割とすんなり空いて、セキュリティが大丈夫かと心配になりながら、入室した。

初めて入ったが、きっちりとそこは片付いていた。執務室と言ったイメージだろうか。壁に飾られている歴代の校長たちの写真が時間帯が夜であることも相まって不気味だったが、あまりそちらを見ないようにして、魔法の構築に意識を向けた。


私が発動させるのは、物体から記憶を読み取る魔法を範囲魔法で空間に指定し、かつ時間事態も過去1週間ほどのものとするまるでレコーダーのような複合魔法である。

証拠として残すために、『シュリンガー』という記録のための球体にそれらの魔力を流し込むことによって、あとから見られるようにする予定だ。


「記憶の扉よ、その姿を現せ――」


複数の魔方式が私を中心にして飛び回っていく。

正直、これらの魔法はクレイヴ先生が懲戒免職になった直後に、調査することを目的として学院の図書館の禁書と言われている本の棚から強奪してきたものだ。主に記憶を読み取る魔法と時間を魔法だけ遡行させる部分。これはその難易度と使う魔力の高さ、そして倫理的な意味でも使用を禁じられているようだった。


そういうこともあって、身体への負荷がかなり高い。

実際、これらを同時に使用して維持し続けること自体がかなりきつかった。気を抜くと、意識が飛んでしまいそうなほどには。


「……はやく、終わって」


シュリンガーに収束されていく、校長の記録達。

一日中校長が書類仕事をしたり、本を読んだり、時々生徒を呼び出して叱りつけて居たり。

うわ!この校長、ここで裸で体毛を剃ってる!!下も脱ごうとしたところで目をそらした。

……なんだか見てはいけないものを見てしまった気がする。

ここは後でマーカスに確認してもらおう。その他にも無駄に校長の生態を知れる映像がどんどんシュリンガ―の中に収束されていく。そうして、リューガスと呼ばれる教師がこの場所に入ってきて――クレイヴ先生のことについて、ご報告が……と切り出したところで映像が急に途切れた。


その感覚に私は確信する。

この教師――リューガスが私が今使っている魔法を阻害するものをあらかじめこの時間帯に仕掛けていた。だから、私の魔法が途中で止まったのだ。それに今私が魔法を使ったこともきっと、探知されている――。


「すぐにこの場所を離れますよ」


魔法で最初と同じように施錠の魔法をかけ直し、魔力痕も全て消し去る。

その間、約30秒。

そしてすぐにテレポートの魔法を使って複数の寮の談話室前に移動し、テキトーな場所で止まった後に魔力痕を消す。そのままマーカスを連れて私達の寮の談話室に走り出した。

今は深夜と言っても、何人か勉強している生徒や遊んでいる生徒がいるので見分けがすぐにつかなくなった。きっと、あの教師もこれで巻けただろう。

談話室の外に誰かが転移してきたのを感じるが、そのまま移動して、その後暫くしてもここに来なかったのが証拠だ。向こうも深追いはやめたのだろう。ここで問題を起こすのは不利になると思ったのかもしれない。

これでなんとかこの場所で落ち着けた――。


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