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番外編 保健のお勉強

 私は今、親友・マイの家に来ている。

 目の前のちんちくりんが中間テストでありえない点数をとりやがったから、生物部の4人で勉強会を開くことになった。

 正直、なんであんな点数を取ったのか不思議なくらい、今日の進みは順調だった。

 そんな勉強会初日。21時半に解散となり、既にクラス委員長と葉山さんは帰ったが、私はマイの家に少し残ることにした。

 今回のテストは保健もある。内容が内容なので、男子の前ではやりたくない。

 「ユイちゃん、保健はまた今度でよくないかな?」

 ポテトチップスを口にくわえながら、お気楽な調子で近寄ってくるマイ。

 「ダメだ。技能教科はやる気があるときにできるだけ進めておくぞ。」

 マイはそれを聞いてうなだれる。

 「今回の内容なんだっけ〜……男女の身体についてやったのは覚えてるなあ」

 「ああ、そうだな」

 「男子、授業中にめっちゃ笑ってたよね」

 「くだらない生き物だ。」

 割とデリケートな話題を扱っているというのに、男子は単語だけ見て笑い飛ばしていた。そういえば、先生も黒板に文字を書きながらクスクスしていたな……

 「でもね、葉山くんは全然意に介さずって感じだったよ。ああいうの興味無いのかな」

 甘い。

 「逆に、ああいうヤツが裏ではとんでもない『モノ』の持ち主だったりするんだ。笑っていないのも、日頃からそういうものを目にしていて慣れているだけかもしれない。」

 「へえ〜……そうなんだ。私、単語見ても知らないものばっかりで、何が面白いのかとか全然わかんなかったや。『ハダカの絵や!』としか。」

 「お前も大概だな……」

 コイツはどっちかというと男の感性に近そうだ。

 「そろそろやろう。さあ、教科書開いて」

 「えーー今日はやめにしようよ。というか、教科書の写真分かりにくくて何がなにかサッパリだし。」

 それを聞いた私は、目の前で体育座りをするマイの足をつかみ、そのまま首倒立の体勢になるまで持っていく。

 「へ?何してんの?」

 「教科書だと分かりにくい───つまり、実物を使って勉強すればいいだろう」

 「アホか!!!」

 マイは勢いよく身体を起こし、私の頬に平手打ちが飛んできた。

 「いった!」

 「当たり前じゃ!!」

 マイは顔を真っ赤にしてこちらを睨みつけてくる。

 「アンタ、力強すぎ……」

 「仕方ないでしょう!?今日はもう終わり!帰って!」

 私の荷物を勝手にまとめ始めると、全てバッグに押し込み、それを私に放り投げる。

 「乱暴だな……」

 「こっちのセリフ!ばいばい!」

 あ、駅まで見送ってくれないんだ……

 私はマイに手を振ると、そのまま部屋を出た。

 まあ、また明日があるしな。

 電車の時刻を確認すると、あと10分後に出発するらしい。その次は更に数十分後だ。急ごう。

 名残惜しさも噛み締めつつ、電車に遅れないためにも私は走り出した。

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