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十八話 最後に残ったのは? ③

あれから3週間が経った。


彼女は心療内科で治療を受けているらしく、経過報告のために事務所に定期的に通うようになっていた。人格の断裂は収まりつつあるようで、お医者様が言うには断裂した人格はゆっくりと溶けて一つに合わさっていくとのことだ。


脅迫の事後処理は明美さんのツテで凄腕の弁護士に対応してもらっている。その場に居合わせた碧さんの話では、『過去の件の清算』とやらでほとんど無料で対応してもらったらしい。


碧さんは変わらず大学へ通い、最近は期末テスト対策で時々僕に助けを求めてくるようになった。結局僕らは色々と引っかきまわしただけで、凄腕の専門家たちによって確実に解決へと進んでいっている。


まぁ普通の人間のできる範囲なんて結局はこの程度のものなのだろう。


「男っぽい碧くんも結構良かったんだけどなぁ」


愛理さんがソファーでだらけてシーリングファンを見ながら、ぽそりとつぶやく。大きな依頼が来るまでは、こうしてだらけ続ける日々が続くんだろう。


「愛理さんって中性的なタイプがいいんですか?」

「まーね。ぱっと見で男女の区別ぐらいがつかないのが好みのライン」


起き上がって彼女がじろじろと僕を見ると、何かを思いついたかのようにニヤリと笑った。


「女装なんてしませんよ」

「ちょっとそこに立ってて」


そう言って彼女が事務所の奥に引っ込んでいく。おそらく明美さんのコレクションを引っ張り出すつもりなのだろう。触るなと言われて何回も怒られているというのに、まったく懲りない人だ。


ふぅーとため息をつくと事務所の扉を叩く音がして、そのままゆっくりと扉が開く。


「おじゃましまーす」


もうすっかり聞きなれた声が聞こえ、片手にドレスを持った愛理さんがしぶしぶ客人を迎え入れた。


「もう……ウチは自習室じゃないんだぞ」

「まぁまぁ、経過報告も兼ねてるわけですから」

「えーー」


そろそろインターホンつけても良いんじゃないかなぁと思いながら、僕は麦茶の用意を始めた。




おわり


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